オンラインで子どもたちに伝統文化を継承するワークショップを開催

2020.11.06

文化学部京都文化学科の専門教育科目「京都文化特殊演習」の受講生5名が2日間に渡り、一般社団法人心游舎(※)とともに上賀茂神社ご協力のもと、子どもたちに日本文化を伝承するワークショップをオンラインで開催しました。
彬子女王殿下によるご挨拶
今回は、日本で最も古くから行われている詩歌形態である和歌について「言の葉ミュージシャンになろう~作って詠もう和歌の世界~」をテーマに実施。京都産業大学名誉教授で、歌会始の選者も務められている永田和宏先生を講師にお迎えし、学生たちが子どもたちにも気軽に和歌の世界に触れてほしいと企画したワークショップが展開されました。
オンライン歌会の風景
ワークショップでは、歌について司会を務める学生が歌を読み上げ、参加者の人たちからどういう印象を受けたか、どこがよいと思うかなどの感想を聞き、永田先生から講評を頂いて、実際の作者に手を挙げてもらい、どのような思いで詠んだ歌なのかを発表してもらうという形式で行いました。
前半では、永田先生から、「五・七・五・七・七」の決まりを説明され、子どもたちがこれまで作った歌など数首の和歌等を紹介しながら「普段使っている言葉で、自分の思っていることを歌ってほしい」と呼びかけられました。また「桜」「紅葉」「ハロウィーン」などの季語について季節を答えるクイズや、示された和歌を絵で表現するコーナーなども催されました。
後半では、子どもたちが事前に創作した和歌をそれぞれ紹介し、その歌に対して参加者が感想を述べ、その後、永田先生より講評をいただきました。子どもたちからは、「昔の歌を詠む機会が普段はないため良い経験になった」「いろいろな歌が聞けた」「初めは難しかったが作ってみると楽しかった」といった感想があがり、歌を創るおもしろさが感じられるワークショップとなりました。
参加者が創作した和歌
歌集の表紙
上賀茂神社への奉納
授業の担当教員である彬子女王殿下は、「『五・七・五・七・七』にすべての思いを歌に込めることは難しさもあるが、歌に残すことで思いや気持ち、景色などが残ることは、文章にはない素晴らしいもの。日常生活においても、感じたことを歌に残して親しんでほしい。」とワークショップを締め括られました。
また、「このワークショップは京都文化特殊演習という授業の一部であり、学生はしっかりと準備をしてくれた。次年度以降も、上賀茂神社と連携し、ワークショップを実施していきたい」と感想を述べられました。 
なお、参加者が創作した和歌は、歌集にして参加者にお配りするとともに、上賀茂神社に奉納しました。
※心游舎は、「日本の伝統文化が生き続けることができる土壌を形成したい」、そしてその核となる子どもたちに「本物の日本文化にふれる機会を提供したい」という、彬子女王殿下の思いに共鳴した有志一同で設立された団体。今回の企画は、彬子女王殿下が京都文化特殊演習の担当教員であることから、授業の一環として実施されました。
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