教員紹介村瀬 篤
担当科目
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研究内容
- 多変数保型形式の整数論、特に保型L関数の研究。
- Borcherdsリフトの対称性の研究。
- Saito-Kurokawaリフトの対称性の研究
これまでの4年生の特別研究(ゼミ)紹介
整数論
暗号とMathematica
特別研究※(ゼミ)テーマ・内容
代数学とその応用
整数や群などの代数的対象について、応用も含めて学びます。特に素数に関するさまざまな不思議な性質や予想(素数の分布、巨大素数など)について、コンピュータによる実験も行いながら研究します。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
暗号技術を支える数学界の女王・整数論を追究
素数とは「2」「3」「5」など、「1」と「その数自身(2なら2)」でしか割り切れない数を指します。つまり、それ以上は分解することができない整数の元素。整数や素数の性質とはどんなものか、それを支配するのはどんな法則なのか。これらを研究するのが「整数論」と呼ばれる分野で、理論の美しさや純粋さなどから“数学の女王”とも呼ばれています。 「数とは何か?」を理解するためには、数を構成する素数の性質について考えることから始まります。例えば「素数は無限に存在する」ことはユークリッドの『幾何学原論』にも記されていますが、「どの程度あるのか?」という問いに対する答えは見つかっていません。さらに「双子素数と呼ばれるペア素数も無限に存在するのか?」「ゼータ関数に対するリーマン予想は正しいか?」など、この分野には解明されていない難問がいくつもあります。どんなに計算を積み重ねても途中で予期しない変化が表れることは多々あり、数に宿る規則性を正確に捉えるのは容易ではないのです。
これだけ聞くと難問だらけに思えますが、それだけ挑み甲斐がある分野ともいえます。大規模な研究プロジェクトまで立ち上がっているメルセンヌ素数は、何万桁にもなる大きな素数を発見する手段として有効で暗号技術と深い関係があります。純粋数学としての面白さはもちろん、社会貢献にもつながる非常に革新的な分野なのです。