令和2年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

コロナ禍での授業実施形態の相違など分析は難しいが、英語基幹科目および演習科目については、「主体的とりくみ」や「学習時間の確保」が高い傾向にあり、総じて良好な結果といえる。一方で、「理解度」や「満足度」について、昨年度同様に科目担当者間での差が大きい。引き続き学習者の視点にたって科目担当者間の意見交換や効果的な工夫について共有していくことが必要となる。
展開科目については、ほとんどがオンライン形式で行われたが、春学期と比べて秋学期の評価が上がっている傾向がみられ、教員、学生双方のオンライン対応への経験値が上がったことと、オンライン講義の質の向上を目指した教員の努力に一定の成果があったと思われる。とりわけ、オンラインであってもグループ・ワークやゲストスピーカーの招聘などを積極的に行った授業での満足度や主体的とりくみの項目が高い傾向がみられた。
重点テーマ「英語講義科目における多様なレベルの学生の主体的参加の促進と教育効果の増進」については、受講生が一定数いた科目については、非常に高い満足度を示しており、「主体的なとりくみ」、「知識や社会科学的視点の習得」のいずれも高いレベルであった。
オンラインか対面かにかかわらず、課題量の適切性、指示の明確さ、質問対応やフィードバックの丁寧さが、満足度と関連の深い要素であることが自由記述等から読み取れる。

2.「公開授業&ワークショップ」についての成果報告

(1)参加人数

  1. 公開授業:
    今年度はコロナ禍の影響で予定していた公開授業は実施しなかった。
  2. ワークショップ:
    ・2020年9月8日(10:30〜12:00 SR304教室):17名
     テーマ:「オンライン講義科目の充実にむけての意見交換」
    ・2021年3月2日(12:30〜13:25 SR306教室):15名
     テーマ:「オンライン授業実践例の紹介」
     

(2)ワークショップでの意見交換内容

【9/8】課題の量や提出期限、教員のフィードバックの重要性などについて、とりわけ対面実施と併存する秋学期の授業運営、対面実施を基本とする科目をオンライン参加する受講生への対応について議論がされた。
【3/2】吉川先生、三田先生から下記内容の授業実践事例が紹介された。これをもとに双方向性の確保やグループワーク、課題管理などに有効な工夫について意見交換を行った。
  • 1、2年演習科目の対面授業におけるTeamsの活用例
  • Microsoft Formsを活用した課題・試験の実施例
  • Stormboard(付箋ワーク用オンラインツール)の活用例
  • Teamsによる講義の録画とstreamへのアップロード、限定公開の方法

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

  • 少人数で行う必修授業においても、大規模な講義科目でも、受講生が準備学習をしっかりと行い、それによって主体的に授業に取り組んで自ら学ぶような工夫がされていること。
  • 各科目群での学びが有機的に結びつき、学部が目指す学びの体系に学生が主体的にとりくめるようなカリキュラムとなっていること。

(2)1と2において確認された改善すべき点

  • 複数クラス開講の必修科目における担当者による理解度や満足度にばらつきがあること。
  • 大規模講義科目において、より一層受講生の主体的な学びを促す工夫をしていくこと。

4. 次年度に向けての取り組み

  • 講義科目(展開科目)においても、より一層受講生が主体的に学べるような工夫をすること。大規模講義での主体性や双方向性の確保の観点から、オンライン対応で有効とされた工夫を対面授業でもとりいれていくこと。
  • 複数クラスを開講する科目の授業において、クラス間の差を縮め、高いレベルで平準化できるよう、担当者間の意見交換や工夫の共有に取り組んでいくこと。
  • 学部開設3年目となり研究演習I/IIが開講されることに鑑み、2年間の学びと有機的に結びついた研究演習の実践と専門知識の定着や発展的学びに繋がる授業としての質を高めること。
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