令和5年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

1. 学部全体の傾向について

令和5年度における授業の満足度について、「満足している(強くそう思う・そう思うの合計)」と回答した者の割合は、春学期81%、秋学期84%であった。また、この科目の学習を通じて、「授業の到達目標」にどの程度到達できたについて、「到達できた(強くそう思う、そう思うの合計)」と回答した者の割合は、春学期において95%、秋学期では97%であった。
本年度の授業は、従来の対面授業へ切替られたが、授業の満足度については、令和4年度の授業満足度(春学期88%、秋学期89%)と比較し、5ポイントの低下が見られた。これは学生が対面事業よりも遠隔授業を好む傾向があるのではと推察される。一方で、授業の到達度については、「到達できた」と認識している学生が両学期共に95%以上であり、対面授業が有効であったと考える。
学習成果実感調査の回答率は、春学期・秋学期ともに前・前々年度に比べて増加しており、今後も引き続き回収率の向上に努めたい。
(春学期:令和3年度 28.8%、令和4年度 34.6%、令和5年度 35.7%)
(秋学期:令和3年度 26.3%、令和4年度 26.3%、令和5年度 27.1%)

2. 1年次生の傾向について

導入科目の総合的な満足度について「満足している(強くそう思う・そう思うの合計)」と回答した者は、社会学入門A(春学期)77%、社会学入門B(秋学期)78%、入門演習A(春学期)89%、入門演習B(秋学期)85%であった。また、到達度について「到達できた(強くそう思う、そう思うの合計)」と回答した者は、社会学入門A(春学期)97%、社会学入門B(秋学期)99%、入門演習A(春学期)97%、入門演習B(秋学期)98%であった。
調査回答率は、社会学入門A(春学期)52.8%、社会学入門B(秋学期)32.2%と20ポイントの低下が見られる。次年度は調査回答率の向上に努め、幅広い層の意向を把握し、今後の展開に生かしたい。
授業の到達目標への到達度は96%以上が到達できたと回答しており、入学初年度の授業目的である社会学への理解はできていると考える。

3. 2年次生以降の傾向について

現代社会学科の専門科目における授業の総合的な満足度について、「満足している(強くそう思う・そう思うの合計)」と回答した者の割合は、春学期83%、秋学期82%であり、講義・演習・実習における授業の到達度について「到達できた(強くそう思う、そう思うの合計)」とした者の割合は、春学期95%、秋学期96%であった。
健康スポーツ社会学科の専門科目における授業の総合的な満足度について、「満足している」と回答した者の割合は、春学期85%、秋学期82%であり、講義・演習・実習における授業の理到達度について「到達できた(強くそう思う、そう思うの合計)」とした者の割合は、春学期97%、秋学期96%であった。
1年次生と同様に2年次生以降についても、満足度は82%~85%であるが、到達度は95%以上と、満足度と到達度には10ポイントの差が見られる。この差を埋めるために満足度を高めることが求められる。

2. 学部独自のFD活動についての報告

(1)公開授業とワークショップ

  1. 公開授業:暴力と男性性
    • 科目:男性学・男性性研究
    • 担当教員:伊藤公雄
    • 実施日/場所:2023年11月29日(水) サギタリス館3階 301号室
    • 参加人数:約50名(現代社会学部教員10名・他学部教員1名、職員1名、学生約40名)
  2. ワークショップ:なし

(2)その他研修会等

  • テーマ:大学DXの概要について
  • 概要:大学がSoftBankやLINEと連携して進めている大学DX「学生の成長のための先端技術による未来志向の改革」について、学長室の奥村課長から説明の後、意見交換を行った。意見交換では、地域のゼミ活動においてARを使えると面白い。VRやAR等の先進的技術をゼミで導入している。先進的な技術を相談できる窓口を設置いただきたいなどの意見があり、今後の展開に期待できる研修会となった。
  • 実施日:2023年12月20日(水)
  • 参加人数:38名(教員36名、職員2名)

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

本年度の分析から、理解度ではなく授業到達目標の到達度を重視して調査を行い、1年次生の入門科目、2年次生以降の専門科目ともに、「到達できた」と回答した学生が95%以上と概ね良好な状況が示されていた。また、本学部の特色として25名を1クラスとして実施している1年次生の入門演習A・Bについての満足度は85~89%と高い評価を得ており、今後も少人数クラスでの講義が必要であることを認識できた。

(2)1と2において確認された改善すべき点

学習成果実感調査の回答率が30%前後と低いこと並びに、到達度と比較して満足度が低いことを踏まえて、授業に関心も持ってもらうことが必要であり、学生目線での授業内容や形式(遠隔、AIなど)を検討していく必要がある。

4.次年度に向けての取り組み

令和7年度を目途に導入する新カリキュラムに向け、学生の学修情報の蓄積を図り、大学DXの推進など満足度を高める授業へと変革していく必要がある。
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