令和4年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

1. 学部全体の傾向について

令和4年度における授業の満足度について、「満足している(強くそう思う・そう思うの合計)」と回答した者の割合は、春学期88%、秋学期89%であった。また、講義・演習・実習の理解度について、「理解できた(強くそう思う、そう思うの合計)」と回答した者の割合は、春学期において83%、秋学期では87%であった。
本年度の授業では、対面授業への切替が進められてきたが、授業の満足度、理解度においては従来の状況と大きな変化を認めなかった。次年度は、原則対面授業となることから、本指標を用いながら、引き続き、遠隔授業から対面授業への切替について推移を注視したい。
学習成果実感調査の回答率は、春学期において前年度に比べて増加を認めたが(令和3年度 28.8%、令和4年度 34.6%)、秋学期は昨年度と同値であり(令和3年度 26.3%、令和4年度 26.3%)、引き続き回収率の向上に努めたい。

2. 1年次生の傾向について

導入科目の総合的な満足度について「満足している(強くそう思う・そう思うの合計)」と回答した者は、社会学入門A(春学期)81%、社会学入門B(秋学期)79%、入門演習A(春学期)90%、入門演習B(秋学期)90%であった。また、理解度について「理解できた(強くそう思う、そう思うの合計)」と回答した者は、社会学入門A(春学期)80%、社会学入門B(秋学期)73%、入門演習A(春学期)86%、入門演習B(秋学期)87%であった。
以上の結果より、社会学入門Aと社会学入門Bにおいて理解度に差が示されているが、社会学入門Bの出席率80%以上の学生に限ると「理解できた(強くそう思う、そう思うの合計)」と回答した者の割合は82%であった。なお、調査回答率は、社会学入門A(春学期)55.4%、社会学入門B(秋学期)33.4%であることから、次年度は調査回答率の向上に努め、科目間の検証に生かしたい。

3. 2年次生以降の傾向について

現代社会学科の専門科目における授業の総合的な満足度について、「満足している(強くそう思う・そう思うの合計)」と回答した者の割合は、春学期90%、秋学期92%であり、講義・演習・実習における授業の理解度について「理解できた(強くそう思う、そう思うの合計)」とした者の割合は、春学期88%、秋学期89%であった。また、科目の履修を通して自己の足りない知識・技術等の発見につながったと回答した者の割合は、春学期86%、秋学期88%であった。
健康スポーツ社会学科の専門科目における授業の総合的な満足度について、「満足している」と回答した者の割合は、春学期88%、秋学期89%であり、講義・演習・実習における授業の理解度について「理解できた(強くそう思う、そう思うの合計)」とした者の割合は、春学期87%、秋学期90%であった。また、科目の履修を通して自己の足りない知識・技術等の発見につながったと回答した者の割合は、春学期87%、秋学期90%であった。
2年次生以降の傾向については、本年度において初めて分析に用いたが、満足度・理解度・専門性への気づきにおいて概ね良好な傾向が示されていた。

2. 学部独自のFD活動についての報告

(1)公開授業とワークショップ

  1. 公開授業:実施なし
  2. ワークショップ:
    • 2023年3月1日
    • 参加人数:32名(教員31名、職員1名)
    • ワークショップでの意見交換内容
      IR推進室よりGPA、GPS-Academic、卒業時調査の結果について解説を受け、他学部との比較による本学部学生の特徴や、コロナ前後での成績評価の状況、さらには、学部の特色であるリーダーシップ教育の成果等について意見交換を行った。

(2)その他研修会等

  • テーマ:「実践的FDプログラム」オンデマンド講義を視聴して
  • 概要:視聴したオンデマンド教材の内容に基づき、授業における到達目標の設定とその評価における学部の現状や課題の共有を目的として質疑応答形式で実施した。
  • 実施日:2022年5月18日
  • 参加人数:37名(教員36名、職員1名)
  • テーマ:障害を持つ学生への教育支援のあり方についての意見交換
  • 概要:前年度の研修および春学期の授業を踏まえ、障害を持つ学生への教育支援のあり方について理解を深めることを目的として質疑応答形式で実施した。
  • 実施日:2022年9月21日
  • 参加人数:36名(教員35名、職員1名)

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

本年度の分析では、2年次生以降の専門科目について検討を行ったが、満足度・理解度・専門性への気づきにおいて概ね良好な状況が示されていた。また、本学部の特色であるリーダーシップについても、IR推進室より紹介を受けたデータより学生の学びの充実の一端を伺える結果が示されていた。

(2)1と2において確認された改善すべき点

社会学入門A(春学期)、社会学入門B(秋学期)において、学修状況に差が示されたが、学習成果実感調査の回答率の低さや、回答率の差異による影響も否めない。次年度は、回答率の向上を図りつつ、引き続き、両科目の学修状況について注視していく必要がある。

4.次年度に向けての取り組み

令和7年度を目途に新カリキュラムを導入する予定である。それに向けた学生の学修情報の蓄積を図るためにも、学習成果実感調査を活用できるよう回収率の向上に取り組んでいきたい。また、原則、対面授業となることから、遠隔授業から対面授業への学生の学びの移行についても教員間で情報の共有を図っていきたい。
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