令和3年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

令和3年度の学習成果実感調査の実施に際して、本年度の授業形態が対面授業と遠隔授業の併用になっているため、(1)新入生が学部の学びにスムーズに適合できているか、(2)学生は対面と遠隔の併用で実施される授業を通して十分に理解を深め、例年と同程度の学びの満足度を得ているかについて注視することとし、調査を通して検証を試みた。
その結果、以下の傾向が明らかとなった。

【1回生の傾向について】
導入科目の満足度について「満足している(強くそう思う・そう思うの合計)」と回答した者は、社会学入門A(春学期)では84%、社会学入門B(秋学期)は84%、入門演習A(春学期)は92%、入門演習B(秋学期)は94%であった。
また、社会学入門Aでは、遠隔授業における円滑な学習状況に関する設問で「うまく対応ができなかった(どちらかといえばできなかった・できなかったの合計)」と回答した者は0%、社会学入門Bにおいても0%であった。また、入門演習Aにおいては3%、入門演習Bでは2%であった。
以上の結果を概観すると、対面授業と遠隔授業の併用という環境下ではあるものの、1回生は大学での学びへと移行できている状況と考えられた。なお、次年度においても対面授業と遠隔授業の併用になることから、引き続き1回生の学習状況を注視していく必要性があると考える。

【学部全体の傾向について】
授業の満足度について「満足している(強くそう思う・そう思うの合計)」と回答した者は、春学期において88%、秋学期では91%であった。また、講義・演習・実習の理解度については、「理解できた(強くそう思う、そう思うの合計)」と回答した者は春学期において87%、秋学期では90%であった。なお、遠隔授業における円滑な学習状況については、「うまく対応ができなかった(どちらかといえばできなかった・できなかったの合計)」と回答した者は春学期1%、秋学期1%であった。
以上の結果を概観すると、昨年度と同様の傾向が示されており、遠隔授業が2年目を迎え、教員、学生ともに遠隔授業と対面授業の併用に一定の理解と対応が進んできたと考えられる。ただし、学習成果実感調査の回収率が春学期は28.8%、秋学期では26.3%と以前に比べて低下していることから、オンラインに不慣れな学生の状況の把握に至っていない可能性は否めない。したがって、今後は、回収率の向上を図り、データに基づく教育改善が実施できるよう更なる検討を進めていきたい。

2.「公開授業&ワークショップ」についての報告 

  1. 「公開授業」:実施なし
  2. その他研修会等:本年度は、学部FD研修会として、以下の通り2回実施した。
    • テーマ:令和2年度の学生アンケートから見る遠隔授業への不安・課題の解消に向けて
    • 概要:令和2年度によせられた学生からの質問等の調査結果に基づき遠隔授業の円滑な実施において教員が取り組むべき対応等について講義と質疑応答形式で実施した。
    • 実施日:令和3年9月22日
    • 参加人数:37名
    • テーマ:障害を持つ学生への教育支援内容の現状
    • 概要:本学の障害教育支援の現状について理解を深めるとともに、学生の学習支援において教員が取り組むべき対応等について講義と質疑応答形式で実施した。
    • 実施日:令和4年3月17日
    • 参加人数:37名

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

現代社会学部では、昨年度よりFD研修を通してMicrosoft Teams🄬の利活用や学生の遠隔授業の不安等の解消に向けた授業運営について学びを深めてきた。こうした授業運営に資する研修の場を設けることが、学習成果実感調査で示された満足度、および理解度の良好な状況の一助になったと考える。したがって、本学部の授業を着実に進めていくためにも、引き続き、研修などを通じた改善に努めていきたい。

(2)1と2において確認された改善すべき点

学習成果実感調査において、昨年度よりは低下しているものの遠隔授業にうまく対応ができなかったと感じている学生が依然として見受けられた。こうした状況は、次年度においても同様に生じる状況であると考えられる。したがって、引き続き、遠隔授業において学生の学びへの意欲が低下しないよう演習等の授業を通して注視していく必要がある。

4.次年度に向けての取り組み

昨年度、本年度と遠隔授業に対する取り組みを進めてきたが、次年度は、年度当初より対面授業が再開されることから、対面授業の運営に資する研修等を再開していきたい。また、学習成果実感調査を通して、引き続き、学生の学びに対する満足度、及び理解度を把握し、遠隔・対面の授業運営による教育効果を把握していきたい。そのためにも、回収率が向上するよう、学部として取り組んでいきたい。
加えて、本年度の研修会では、障害を持つ学生への教育支援について講義を通して理解を深めたが、次年度は教員間での意見交換を通して、授業運営上の工夫や課題を共有していきたい。
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