令和元年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

令和元年度は、春学期・秋学期通じて、学部専門科目の中でも中核となる展開科目における受講生の理解度を確認することを目的とし、2年次、3年次の学生を対象として「学習成果実感調査」を実施し、その結果について確認を行った。
対象となった科目全般に、出席率は他学部の選定科目と比較しても良い状況が続いているが、事前・事後学習等の設問では、学習時間が全学平均よりもやや低い傾向が確認され、この傾向は昨年度からもほぼ同様の数値であることが確認された。事前・事後学習の時間が少ない傾向がある一方で、個別自由記述欄の意見からは、授業の運営等に対する好意的な意見が多くみられ、授業の進め方の工夫などに学生が好感を持っていることが伺える。これらのことから、授業における学生の理解を進めるための工夫が行われている一方で、ホームワークなどの課題を学生にあまり与えていない傾向が推察される。授業の理解度に関する設問では、否定的な意見が5%未満であることからも、これらのことが推察できる。これらの傾向は、春学期だけでなく、秋学期についても同様の傾向となっていることが確認された。
今後、授業時間内での理解度を下げることなく、事前・事後学習といった、学生自らが学ぶ姿勢を身につけるための運営方法を継続的に検討することとしたい。

2.「公開授業&ワークショップ」についての報告 

(1)参加人数

  1. 「公開授業」:
    6月4日(火):広告メディア論(ポンサピタックサンティ ピヤ 教授)3限、参加教員10名
    6月6日(木):スポーツ栄養学(吉岡 美子 教授)2限、参加教員12名
  2. 「ワークショップ」:
    10月23日(水)教授会終了後
    教員31名、事務職員1名参加

(2)ワークショップでの意見交換内容

①学習成果実感調査結果報告、②GPSアカデミック調査結果、③令和元年度公開授業実施・参加報告の3点について、それぞれの調査結果の理解促進を図り、また、公開授業参加者からの意見・提言などを共有することとした。

①学習成果実感調査結果報告について

  • 専門科目を中心に調査を実施し、回答率が約75%。全体的に、出席率は高く、85%の学生が12回以上の出席となっている。
  • 全体としての満足度は、約80%の学生が「満足」と回答している。
  • 全体として、事前・事後学習が30分未満という学生が50%以上となっており、過年度からもこの傾向は変わっていない。
  • シラバスを確認している学生は85%以上となっている。
  • 個別の授業の進め方等については、対話シートなどの影響もあり、授業運営の改善点等の意見は少ない傾向がある。

②GPSアカデミック調査結果について

  • 2018年度の入学生と比較しても、2019年度の学生も傾向の大きな変化はない。
  • 学部へのコミットメントが強い学生が入学している傾向が強い。
  • 比較的独立性の強いが学生が多い。
  • 読書時間が少ない

などの傾向が見て取れる。

③令和元年度公開授業実施・参加報告について

  • 広告メディア論(ピヤ教授)/スポーツ栄養学(吉岡教授)の公開授業について、各参加教員からの感想が述べられ、自身の授業への応用を検討した。
  • 両授業ともに教材が工夫されており、ピヤ教授については映像資料が多く、理解しやすい内容であった。吉岡教授も画面に投影されるレジュメに空白が用意されており、重要な点が分かり易く、学生に重要ポイントを注意喚起できるように作成されていた。
  • 一部の学生は、スマホなどでの授業目的以外の利用をしていることが確認された。

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

過去2年の調査と比較すると、大きな変化が見られず、演習科目以外においても受講生の出席状況や満足度が高い状況にあることが分かった。また、授業内での理解を深めるための配付プリントなどを用いるなどの理解促進支援、パワーポイントなどの視覚資料などの利用により、授業の理解促進への取組がなされていることも伺えた。過去3年間の取組み結果から、導入教育としての入門演習などから専門講義科目へと移行していく本学部のカリキュラムは、学生の理解促進に有効なカリキュラムであることが確認された。

(2)1と2において確認された改善すべき点

今回対象とした科目についても、事前・事後学習の点で数値が低くなっている点について、今後、より検討を深めていく必要がある。また、実感調査にて学生からの意見が多くだされた科目については、対話シートも実施されていないことから、今後は、対話シートの充実も行う必要がある。

4.次年度に向けての取り組み

過去3年間のFD活動により、学部専任教員における授業改善の取り組みについては、一定の成果が上がってきており、令和元年度は、3月に実施したFD研修会でも、情報共有アプリなどの活用方法の共有などを行うなど、新たな授業運営についての検討も着手した。令和2年度については、従来からの授業運営の改善を行うとともに、新たなツールを利用した授業運営なども具体的に検討を行うこととしたい。
PAGE TOP