平成29年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

秋学期実施分の学習成果実感調査の結果についても、春学期実施結果と同様に、入門演習Bの受講生の満足度は「強くそう思う」「そう思う」と肯定的にとらえている学生の割合が83%(春学期84%)となっており、概ね良好であると判断している。また、健康スポーツ社会学科のスポーツ実習では、受講者の満足度は、肯定的に評価している学生が96%であり、春学期よりも若干数値が下がったものの、良好であると判断している。
秋学期実施分の結果は、2つの科目ともに、ほとんどの項目で0.1ポイント程度の下降が見られる。これらは、講義内容が春学期から秋学期にかけて難化していることから、もう少し大きく下降することも想定していたが、ほぼ同様の数値となっていることから、学生の理解度や修学意欲に大きな減退が生じていないと考えている。また、春学期結果からの課題として、シラバスの利用促進を検討したが、改善が見られなかったことから、継続した取組を検討したい。
なお、社会学の理解度の確認を行うために、独自に入門演習Bの基礎となる社会学入門Bで授業アンケートを実施した結果、学科毎で入門演習A/Bへの取組状況や関心度に差が見られ、特に健康スポーツ社会学科の学生の社会学への取組については、今後の課題として認識を新たにした。

2.「公開授業&ワークショップ」についての報告 

(1)参加人数

  1. 「公開授業」:社会学入門B、スポーツ実習(バレーボール)
    合計13名参加
  2. 「ワークショップ」:11月15日(水)開催 31名参加

(2)ワークショップでの意見交換内容

平成29年度春学期学習成果実感調査結果、春学期学部専門科目成績分布データ、並びに大学生基礎力レポートを資料としてワークショップを開催した。 大学基礎力レポートからは、

  • 本学部を選択した理由、批判的思考力、協調性、学科毎の意識の違いなどが想像以上に明確になっている。
  • 本学部を希望した学生は、本学の他学部に比べ、第一希望としている群が多く、社会科学系の学部の中でも特に高い数値となっており、理系の学部と比較してもほぼ同等の志望度となっている。また、本学部のカリキュラムなどに魅力を感じている群が多くみられることも特徴的である。
  • 今後の進路という点では、両学科で大きく異なっており、現代社会学科では専門性を活かすことへのこだわりは低く、一方で健康スポーツ社会学科では、専門性を活かすことへのこだわりが高く出ている。

などのことが説明され、その他の資料とともに、学生情報の共有化を図った。
情報共有の結果、学習成果実感調査結果などが来年度に向けた改善の検討材料となることが期待できること、成績評価についても共通の基準を設ける必要があるという意見が出されたほか、今後、学部内、学科内、または科目毎であっても、アセスメント・ポリシーを策定するという意識を学部として持つことが必要であるとの意見が出された。

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

1年次の専門科目については、学生の満足度が高いことが分かり、特に社会学入門と入門演習の組み合わせにより、学生の理解度も進んでいることが確認された。
また、スポーツ実習においても、学生の関心度と満足度のバランスが保たれていることが確認された。

(2)1と2において確認された改善すべき点

春学期から秋学期に向けて、若干ではあるが、数値が下降していることが確認できた。学習が進むにつれ、授業内容への関心度や理解度が下降する学生がいることを示しており、両学科ともに、社会学を学ぶことの意義を理解してもらう必要があると考えている。

4.次年度に向けての取り組み

今回の調査から、履修学生の満足度が高いことから、授業内容については今年度の内容をベースとしつつ、担当教員間で見直しを行う。
また、社会学入門と入門演習については、健康スポーツ社会学科の学生を同じ開講曜日の科目に割り当てることで、スポーツに関心のある学生を主な対象として、より分かり易い説明ができるようにし、理解度、満足度の改善を図る。
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