田中 侑樹さん(アルゼンチン/国立ラプラタ大学)

日本の真っ反対に位置するアルゼンチン。留学に来るまではアルゼンチンといえばサッカー、マテ茶、タンゴくらいしか印象はありませんでした。いざアルゼンチンに着くと、毎日良い面や悪い面で様々な発見がありました。まずブエノスアイレスに着いたときは交通量の多さ、人の多さに驚きました。特に大きなオベリスコが立つ9 de Julio通りは10車線ほどあり反対側まで1回で渡ることはできません。日本にはこのような大通りはないので、最初に大きなインパクトを与えてくれました。アルゼンチンでの大都市はブエノスアイレスの中心くらいで、サルタやメンドーサでは素晴らしい大自然を目の当たりにし、次は世界遺産のイグアスの滝に行く予定です。旅行に行っていない地域もありますが、アルゼンチンにはたくさんの大自然が広がります。このように各地域で大自然を満喫することができ、ブエノスアイレスではレコレータ墓地やボカ地区のカミニート、Casa Rosada(大統領府)などたくさんの観光地を訪れることができました。アルゼンチンの他にもウルグアイ、チリ、そしてブラジルにワールドカップを見に行ったりもしました。サッカー王国でのワールドカップを生で見ることができたので何より一番満足しているのは、このブラジルへの一人旅です。そしてアルゼンチンもやっぱりサッカーです。アルゼンチン人はいつでもどこでもサッカーの話をし、週末になるとみんなでサッカーの試合を見ます。特に自分の応援しているチームだとより熱くなり、ミスをしたり負けたりすると時には悪い言葉で批判することがあります。そこまで言わなくても、と思うことも多々ありますがでもそれはそれだけそのチーム、サッカーを愛しているのだと思います。さらにレストランやバルには必ずテレビがあり、必ずサッカーの試合がかかっていますし、道を歩いているとユニフォームを着た人やサッカーショップ、フットサルコートなどがたくさんあります。アルゼンチン人は非常に呑気でよく話す人たちです。いつも暇かというくらい広場で友達と話しながらマテ茶を飲んでいたり、毎日のように昼寝をしたり、日本人とはまた違った生活リズムで暮らしているように思います。そして日本人と一番違うなと思ったことは食事です。アルゼンチン人は肉しか食べず、魚や野菜はまず食べないです。肉しか食べないというのはガウチョ時代からの伝統を今も継承しているので素晴らしいことだと思いますが、調理パターンもアサードという「焼く」という方法でしか食べないです。だから肉料理以外のものはあまり知らないですし、いまだに外国の食事文化を取り入れようとしません。だからこれが原因とは限らないですがなかなか他国との経済面、政治面などで絶対的な関係を築けないのだと思います。しかしながらこのような肉とワインの生産量が世界でもトップクラスですし、とてもおいしいです。

今は他のアルゼンチン人と一緒に住んでいます。週末になるとサッカーやボリーチェに誘ってくれるので一緒に楽しんでいます。さらに毎日みんなで話したり、コミュニケーションをとることができるので会話の練習にもなるし、とても良い環境で過ごせていると思います。前期の授業は日本人留学生だけの授業だったので、なかなかほかの友達を作ることは難しかったですが、後期からは学部に所属して自分の好きな教科を履修することができるので楽しいですが難しくかなり苦戦します。でも新たな友達を作ることができるので良い機会だと思います。ラプラタは自然の多い、静かな学生がたくさんいる街で、通りも番号で表示されているのでわかりやすいし生活しやすいところです。

アルゼンチン文化は地理的位置と同じように日本とほぼ真っ反対のように思います。特に最初はこのような生活リズムや習慣、文化などに慣れるまでたくさんの戸惑いはありましたが、これらの違いから良い面、悪い面で色々新しい新鮮なことを感じることができましたし、たくさんの経験ができました。語学力がかなり成長したとは断言できませんが、確実に生活力と行動力を身に付けることはできました。アルゼンチンは決して安全、安定している国だとは言えませんが、たくさんの見どころがあり、とても魅力のある人間性を成長させてくれる国だと思います。アルゼンチンのような南米の国にはなかなか簡単に来れるようなところではないと思います。だから留学をしようか迷っている、どこの国にしようか迷っているという人はぜひこの機会にアルゼンチンに足を踏み入れてみるべきだと思います。

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