中村 有希さん(スペイン/ラ・リオハ大学)

私は3回生の春に、認定留学で半年間スペインのラ・リオハ大学で留学していました。ラ・リオハ大学は他の提携校と比べると田舎というか、郊外に位置しているし大学があるログローニョという街は日本人の姿を全く見かけないといったマイナーな街です。日本人の留学生もあまり訪れないし現に私がいた4ヶ月間では私を含め2人の日本人で、途中からは私一人でした。最初は日本人がいないなんて寂しいとか、不安はたくさんありましたが、語学を習得するという面では最高の場所でした。

この留学をするまで、一人暮らしもしたことがなく、友達も家族もいない生活に孤独を感じて初めの一週間は泣いてばかりでした。ですが自分から話しかけたり積極的にならないと友達はできないと思い積極的に声をかけて友達を増やしていきました。

授業でもなかなかスペイン語が聞き取れず、特に訛りのきついスペイン語を聞き取るのはとても難しくて、初めの一ヶ月は聞き取ることに必死でした。また聞き取れて理解している間には話題が変わっていて結局、自分の意見も言えず終わることもたくさんありました。当てられても何を言われているか分からず、また会話に入れずただ黙って授業を受ける、下を向いているといった状況で悔しい思いもたくさんしました。

そして他国の留学生は文法も単語もめちゃくちゃでも自分の意見を伝えるという積極性がすごくあって、間違えることに恐れと恥を持っていた私にはいい刺激になり、語学を学びにきているのだから間違えたって恥ずかしくない、使わないと話せない、せっかく来ているのだからここで努力しないと変われないと気づき、後半の留学生活では積極的に話していました。その姿を見て多くの先生に「変わったね、急にすごく正確に早く話せるようになったね。」と褒められたときはもっと自信がついて話せるようになりました。

また自分が日本人なのに、母国のことについて、あらゆる分野に無知でいかに興味がなかったのか、外国人のほうが日本について知識が多い、質問されても答えられないといった恥ずかしい場面もありました。日本について学ぶいい機会にもなりましたが、留学に行く前に日本についてあらゆる分野について勉強することをお勧めします。

週末や長期の休みでは友達と旅行に行ったり、スペイン人の旅行会社のツアーに参加してイタリア旅行に行ったりといろんな場所に行きました。たった4ヶ月でしたが絶対に日本では経験できなかったことをたくさん経験しました。さまざまな壁にぶつかって悩んで泣いたこともありましたが、その分楽しいこともたくさんありいろんな国の友達もできて、短期間でこんなに仲良くなれるのかって思うぐらいの友達もできました。留学は楽しいことばかりではありませんが、今では苦労も辛かったことも笑い話にできるぐらいです。その苦労を笑って話せるときは前の自分より少しは成長していると思います。

私は半年の留学じゃなくて一年にすればよかったと後悔しているので、もし長期は嫌だなとか、留学に対して迷っている方がいたら絶対に行くことをお勧めします。知らない世界に足を踏み入れることは勇気がいりますが、視野が広がって新たな自分を発見できます。

留学生活を楽しんだり、どんな風に送るかは自分次第です。素敵な留学生活を送ってください。

PAGE TOP