吉川 克彦さん(アルゼンチン/ベルグラーノ大学)

僕は三回生の去年約10ヶ月間アルゼンチン、ブエノスアイレスのベルグラーノ大学へ留学しました。渡航から三ヶ月ぐらいまでは相手の言っていることが全然聞き取れない、現地人の友達がなかなかできないと本当に苦労しましたが、ルームメイトのフランス人が励ましてくれたり、スペイン語がすごく堪能な日本人の友人が現地人とのサッカーに誘ってくれたりして徐々に友人もでき、彼らと会話していくことで語学が上達していくのがわかるようになりました。

留学先をアルゼンチンに決めた理由はアルゼンチン人のサッカーに対する情熱を肌で感じてみたいと思ったからでした。大半のアルゼンチン人はサッカーが大好きで、喫茶店などで集まって何時間も好きなチーム、戦術について語りあうというほどです。大人子供関係なく一緒に公園などでプレーしていて、頼めばすぐ中に入れてもらえる寛大さや優しさを感じました。この留学中に何度もスタジアムに足を運びましたが、スタジアムの雰囲気はファンの声援や応援歌で熱気に溢れていました。普段は地震が全くないブエノスアイレスも試合日はファンが一斉に飛び跳ねるためスタジアム周辺がまるで地震が起こったかのように揺れるほどです。アルゼンチンを訪れる方には是非一度この興奮を味わって欲しいですが、スタジアム内や周辺ではスリやファンの暴動にくれぐれも気をつけてください。
FIFA W杯をサッカー大国で見たということも非常に大きな経験になりました。自分もまるでアルゼンチン人になったかのように代表を応援し、惜しくもベスト8で負けたときには本当に悔しかったです。
さて、学習面では前期はスペイン語のみ履修でしたが後期からは経済や文学、アルゼンチンタンゴの授業を履修しました。これらの授業にはスペインや中南米からのネイティブ学生も多く履修していて彼らと知り合うことができお互いの国についてよく話しました。
恥ずかしながら政治や経済のことで聞かれた質問に答えられなかったこともありました。これから留学される方には日本について最低限のことは答えられるようにしておくことをおすすめします。

大学では各セメスターの中旬に国際交流パーティーが催され、僕も他の日本人留学生の人達と一緒にお寿司や白玉だんごを作り多くの人から好評をいただき良い思い出になりました。週末も誰かのアパートで必ずといってよいほどパーティーがあり、みんなでお酒を飲んだり踊ったあとにまたディスコへ行って踊ると日本ではなかなかできない体験ができました。

大学の休みを利用して旅行もたくさんしました。マチュピチュやイグアスの滝といった有名な世界遺産を見ることができて地球の素晴らしさを実感しました。ペルーのクスコからチリの首都サンティアゴまでバスで移動して各地で出会った人々の優しさはいつまでも忘れません。アルゼンチン以外の国のスペイン語に触れることができ勉強にもなりました。
スペイン語一つでほとんどの国を旅行しながら勉強できる点で中南米への留学はお勧めです。

ブエノスアイレスは日本の都市と比べると決してきれいではありませんが、自然が多く娯楽も充実していて、さらに物価が安いと非常に生活しやすい街です。是非この国へ留学という形で生活してみてください。特にサッカーが好きな人にはお勧めです。

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