甲本 磨衣さん(メキシコ/メキシコ国立自治大学)

2005年3月から約10ヶ月間メキシコ国立自治大学に留学しました。
留学する前までの知識では、「メキシコは危険な国」というイメージしかなかったのですが、実際に生活してみると住みやすく、まさに「住めば都」だったように思います。
私にとってメキシコで約10ヶ月間生活するということは、言語を学ぶという点だけでなく、文化を学ぶ、人と触れ合う、違う自分に出会うなど、多くの貴重な経験を与えてくれる10ヶ月間になったと思います。留学すれば自然に言語は身につくと思っていました。でも、大間違いだったと今は思います。自分で努力しなければ、望んでいても言語は身につかない。自分から動かなければ、自分の成長にはならない。語学学校で出会った様々な国の友達や、日常生活の中で知り合ったメキシコ人、ステイしていた家でお世話になったメキシコ人家族と同居人。多くの人と知り合うことが自分の成長にも繋がったと思います。私の場合、家のみんなが大好きだったので、休みの日は家で朝から大家のおばあちゃんや、同居人のアメリカ人、メキシコ人たちとわいわいやってた気がします。

私が通っていた語学学校では、毎日3時間の基本の文法授業の他に、多くのオプション授業もあり、私はメキシコを含めラテンアメリカの国々の歴史、美術、文学、映画、先住民についての授業など、多くの授業に参加しました。美術や歴史の授業では、教室で先生の話を聞くだけでなく、実際に遺跡を見に行ったり、メキシコの歴史を学ぶだけでなく自分の国の歴史を紹介したりと、幅広く色々な面に触れることができる授業でした。映画の授業では、ラテンアメリカ出身の監督が撮影した映画を見て討論し合ったり、内容の濃い授業でした。中でも印象に残ったのは先住民について学ぶ授業で、実際に先住民の方々が暮らしている村に訪れて話を聞いたり、料理を振舞ってもらったことです。
自分が話せないことをバカにされたり、悔しく思うことも多くありましたが、悔しいからこそ負けたくないと思う気持ちが生まれて10ヶ月間学びながらメキシコで過ごせたのだと帰国した今、そう思います また、長期の休みにはメキシコ国内だけでなく、国外にも足を伸ばし、以前から興味のあった都市や遺跡、世界遺産などを巡り、世界の大きさも知ることができました。一番感動したのはペルーに行った時に酸欠でフラフラしながら登って見たマチュ・ピチュです。そして、いろいろな場所で人それぞれの生活が在り、それぞれの幸せや悲しみが在ることも知りました。旅行を通じてもたくさんの人と知り合い、話すことができました。また、日本を離れて暮らすことで、家族の大切さや支えてくれる人の大切さを改めて実感しました。

大学3回生の1年間をメキシコで学び、この留学は、良い意味で私が自分の将来を考える上で大きな影響を及ぼしてくれました。留学生活全てが楽しいことばかりというわけではありません。楽しい思い出の裏には、辛いこと、苦しいこと、たくさんあります。しかし、帰国した今思い出すのは楽しいことばかりです。そして、苦しい経験も必ず貴重な自分の財産になったと思います。留学が終われば全ての勉強が終わるわけではなく、留学が終わったからこそ次のステップに繋げ、活かしていかなければならないと思います。

もし、今現在留学しようかどうか迷っている方がいるなら、是非留学することをお勧めします。今しかできない経験を十分堪能してください!
VIVA MEXICO!!!

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