石井 佐代子さん(スペイン/スペインアルカラ大学)

私は2005年1月から2006年1月までスペインのアルカラ大学に留学していました。私は留学して本当に良かったと思っています。留学で学ぶことは言語だけではありません。留学の期間中は常に自分がどうすればもっと成長できるか考え続けます。楽しい日も、苦しい日も、悲しい日も、頭のどこか片隅に自分の成長のことを考えています。言い換えれば1年間、異国で自分と向き合う時間を持つということです。そのような時間を自分の人生の中で1年間持つことができたのを幸せに思っています。

私が留学で得たものはたくさんありますが、その中でも大きいものは3つあります。

まず第1に、それは言語と新しい興味です。スペイン語は1年留学したからといって、まだまだ完璧ではありませんが、スペイン語を習得しようとする過程で他言語を話すことの楽しさを覚えました。初めの頃はスペイン語を人前で話すのが恥ずかしく、間違えることに臆病になり、なかなか話すことができませんでした。そのため会話においてなかなか成長しませんでした。しかし、授業中には1人1人の意見を求められるため、徐々に慣れていきました。また友達ができスペイン語を話す機会が増えれば増えるほど、スペイン語を話すことの抵抗がなくなっていき、多言語を話すことが楽しいとさえ思うようになっていきました。その結果また他の言語にも興味がわき、帰国してからはスペイン語と似ていて、学びやすいイタリア語も勉強しています。

第2にそれは多くの友達だと思います。スペイン人、フランス人、イタリア人、ペルー人、メキシコ人、ポーランド人、イギリス人、韓国人、アメリカ人、中国人、アルゼンチン人など様々な国籍の友達ができました。それと共に、様々な国の文化に興味を持つようになりました。特に私の場合は一緒に生活を共にしたアパートをシェアしていた友達に大変お世話になりました。外国に行き、外国の人達と暮らすのだから、お互いの異なる文化が生活の端々で見えます。私はそれがとても興味深く、紅茶の入れ方から、お風呂の入り方、食事の仕方から、挨拶の仕方など、様々なことに驚き楽しみました。いつも一緒にご飯を食べ、お互いの国の政治の話や戦争歴史の話、友達や恋愛の話など、たくさんのことを話し合いました。特に外国の人は友達をとても大事にすると思います。その愛情表現の仕方がストレートでとても感じの良いものでした。生きていくためには他人とのコミュニケーションは避けては通れないもので、そのコミュニケーションを楽しみながらできるようになったと思います。

第3にそれは新しい趣味と目標でした。私は留学生活を経て旅行が大好きになりました。留学中には他のヨーロッパの国々を旅行しました。それまで旅行は修学旅行やリゾート旅行といったものだけで、自分達で計画していく旅行は初めてでした。そのため、安全面での危険も多く、計画にかかる時間も多く大変なことばかりでした。旅行中もなるべく自分達の足で街中を歩いていました。それは本当に体力を消耗し、しんどい旅でしたが、極限の状態の中で見た、ヨーロッパの美しい町並みはその分より深く私の記憶に残っています。そこから私は旅行が大好きになりました。それは、私の価値観を変えてしまうほどで、今では自分の次の目標は常に次の旅行にあります。この先の生活についても、しんどくてもより多くを得て、自分に新しい興味を与えてくれる道を選びたいと思うようになりました。

留学というものから私が得たこと、学んだことは数え切れないほどありました。留学した1年は私の人生のとても大切な1年だったと思います。

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