「Leipzig 海外実習振り返り」岡本 真歩さん

今回ライプツィヒ大学の海外実習に参加して、私は初めて自分とは違う言語を話す人との会話をすることが楽しいと感じました。正直なところそれまで話をする機会があってもどう話せばいいかわからない、自分の言いたいことが伝わるかもわからないのに自分から話しかけるなんてもってのほかと思っていたところがありました。もっと言うと怖いという思いさえ少しあって、なんで外国語学部に入学したのかといわれそうな位、外国人とその人の国の言葉で話をすることに対する私の中のハードルは高い位置にありました。しかし、実際にドイツに行って大学の課題や研修校の授業プログラムの中で町の人にはじめて話しかけたとき、自分が思っていたより伝えようとしていることを一生懸命汲み取ろうとしてくれたり、簡単な質問で聞いてくれたりしました。本当に親身になって聞いてくれる人が多かったように思います。おかげでこちらも自分の持つ少ないドイツ語力を絞り出して言葉を発することができました。確かに、日本で外国人の方が困っている場面に出会うと自分自身もそうやって相手の言葉に耳を傾けるのだろうとは思うものの、実際にされる側になると心からうれしくなり、伝わった時の喜びは忘れられないなと初めて気づきました。自分とは別の言葉を話す人々とはいえ、同じヒトなのだから話しかければ答えてくれるし、伝えようとすれば、読み取ろうとしてくれます。当たり前のことかもしれませんが、改めて実感することができました。そのおかげもあって、まずは声をかけて話してみないともったいないと思い、自分から積極的に声をかけ、自分でも驚くくらい、会話への恐怖をなくすことができました。ただ、話しかけるという最初のステップの部分の自分の弊害は解消することができたものの、慣れない外国語で、その先のコミュニケーション力と語彙力の部分が未熟だと感じる場面が何度もあります。その度にまだまだ学習と経験が足りないことを痛感しました。インタビューの際は質問文をあらかじめ考えているので、問題はありませんが、返答があった後どうすればいいのか、さらにはなんという答えだったのか、なんとなくは理解できるもののきちんと正しい理解か、といわれたときに自信を持つことができないことがあり、それがとても悔しかったです。せっかく質問に丁寧に答えてくれているのに自分のレベルが足りないせいで理解できないのが悲しく、次にドイツに来たときにはリベンジをしたいと思います。
これはライプツィヒの街を現地の大学生に案内してもらったときの写真です。前にマルクト広場があり、マルクト(市場)が出ています。買い物に行った際日本人だとわかると「こんにちは」など言ってくれて本来1パック1ユーロのイチゴを三倍におまけしてくれたりもしました。
これは文化交流プログラムでゲリヒテ(裁判所)にいったときの写真です。普通では見ることができない裁判長の居住エリアまで見せていただきました。案内してくれた方々がとても気さくで色々お話を聞かせてくださいました。
1つ、特に心に残った出来事がありました。2度目の学生交流会の帰り、トラムに乗っているときのことです。私は2人掛けの片側の座席に座っていて、隣にドイツ人の男性が座っていたのですが、その方がドイツ語で ”Sind Sie Touristen?” と話しかけてくれたことです。これはドイツ語で旅行客ですか?という意味になります。東洋人の子供がわらわらと乗っていて目についただけとはいえ、私はそれがとてもうれしかったのを覚えています。内心焦りつつも、拙いドイツ語で相手が降りる駅まで雑談をして過ごしました。結構な間、会話をしていたので、相手が ”Tschüs.” (バイバイ、さようならという意味です)といって降りていくまで必死でした。その分相手が去った後の達成感は何とも言えません。しんどかったものの、昔の自分では考えられないくらいとても楽しかったです。多分相手の方はそんな深い意図はなく話しかけてくれたのでしょうが、私はずっとこの出来事を忘れないと思います。これからの日本での学習ではライプツィヒで経験した、言葉が相手に通じる感動を忘れないように少し長めの会話でも余裕をもって話せるようにしていけたらと思います。
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