「ドイツ語海外実習を振り返って」 森田 菜央さん

私は、中学のころからドイツに行くことを夢に見ていたので、今回のドイツ語海外実習に行くにあたって多くの期待と希望を持っていました。しかし、不安な点もいくつもありました。まだまだ未熟なドイツ語とともにドイツで一か月間過ごすこと、いざというときへの不安、寮で馴染めるか、などです。結果としては、今回の海外実習で私は、想像以上の経験と知識と自信を得ることができたと確信を持って言えます。

そのきっかけは、考えていたよりもすぐにやってきました。実習が始まった週の土曜日、同じ実習生の数人とコルマール、ストラスブールへ旅行をしました。知らない土地であることに加え、バスも電車もドイツ語あるいはフランス語のみ、乗り換えの検索もDB(=Deutsche Bahn ドイツ鉄道)のドイツ語サイトだけという、右も左もわからない中で数多のトラブルがありました。その旅は、参加者のうちの2人が先頭に立ち、率いてくれたのですが、とても大変で辛いものとなりました。その時に、私は自分が何もできていないことに気づかされました。彼女たちが右往左往する中、ただ付いていくだけでした。私はとても申し訳ない気持ちと同時に、何も行動を起こせなかった自分がものすごく恥ずかしく感じました。

翌日、私は自分がとても行きたかったホーエンツォレルン城へ行きました。前日の思いを心に置き、自らが計画したスケジュールで周りを率いました。しかし、予期せぬ悪天候による交通機関の遅延、それに伴う乗継の失敗など過酷を極めるものとなってしまいました。私はその日、とてつもない責任感と周りへの罪悪感と恐怖を味わいました。自分が行動しなければ誰も助けてはくれない環境、ましてや発案者である自分には誰よりも責任があります。出会う人に手当たり次第に尋ね、何度もインターネットで調べるなど自分のできることを全てしました。その結果、なんとか無事にフライブルクに戻ってくることができました。私はこの時、恥ずかしさや恐れを感じている場合ではないと思い、拙いドイツ語と英語を全力で駆使しました。この経験から、人に話しかける勇気、恐れずに言語を使うことの大切さ、自ら行動を起こす力を得ることができるようになりました。

もちろん、無事だったのは現地で会ったドイツの人々の親切さに救われてのものでした。しかし、自分の頑張りも自分で認めたいです。それからはフラットメイトにも積極的に話しかけたり、その後の旅行でもわからないことはすぐに聞いたりと、様々な面で成長を感じることができました。今回の実習では、毎日の授業での語学力の向上やドイツの人々の生活や考えを知るということはもちろんですが、それ以上に自分の人間としての成長を感じることのできるものとなりました。
 

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