「ドイツ語海外実習で学んだこと」 足立 充毅さん

私はフライブルクでの1ヶ月間で多くの刺激を受け、もっとドイツ語を話せるようになりたいという気持ちが強く芽生えました。そして、今までのドイツ語学習の取り組み方のままでは駄目だと感じました。また、今後ドイツ語を上達させるためにすべきことや、明確な目標を発見することができました。

私はクラス分けテストの結果により、最初はクラス7に所属することになりました。クラス7は、20人程の中にアメリカ人やスウェーデン人、ギリシャ人など様々な国籍のクラスメイトがおり、日本人は4〜5人程の少数でした。どのクラスメイトも、日常会話をするのに問題がないレベルで、私にとってはレベルが高すぎると感じました。2日間このクラスで授業を受けた後に、先生にクラスのレベルを下げて欲しいと伝え、翌日からクラス5に変更しました。クラス5はほとんどが日本人で、日本人以外は3人しかいませんでした。クラス7の授業は、基本的に会話やディスカッション形式の授業だったのに対し、クラス5の授業は文法の説明や問題を解くことが多く、日本の授業形式と似ていると感じました。クラス7の授業では、先生やクラスメイトの言っていることが理解できず、もどかしさや悔しさを感じていました。一方で、クラス5の授業はストレスを感じることなく受けることができていましたが、自分の中で複雑な思いが湧いていました。クラス7の中でやっていた方が今後の自分のためになっていたのではないのかという思いと、自分のレベルに合ったクラスで学ぶ方が確実に身につくのではないのかという、二つの思いに葛藤していました。結局はクラス5で最後まで学びましたが、クラス7のクラスメイトのように、積極的にディスカッションし、自分の国のことについてドイツ語で話せるようになりたいという思いが強く芽生えました。

クラス5とクラス7の日本人以外のクラスメイトに共通していたことは、授業中分からないことがあればすぐに質問し、分かるまで先生に聞いていたことです。そして、何より積極的にドイツ語を使おうとしていました。これは私に欠けていた部分であり、ドイツ語を学ぶ上で重要なことだと改めて感じました。日本に帰った後の次年度からの授業で、これらのことを実践しないとドイツ語海外実習に参加した意味がないと思うので、積極的な姿勢で取り組み、ドイツ語学習の質を上げたいと思いました。私にとってこの経験は、悔しくもありましたが、次年度からのドイツ語学習に取り組む上で明確な目標ができた貴重なものとなりました。
 
フライブルクでの普段の生活も毎日とても充実していました。街のいたるところに小川が流れており、また大聖堂や教会などの歴史ある建物が立ち並ぶ、とても綺麗で住みやすい街でした。食事はフライブルクの中心街にある店で食べることが多かったですが、スーパーで食材を買い、自分たちで調理して食べることもありました。店で注文するときや、スーパーで買い物をするときには積極的にドイツ語を使うことを意識していましたが、伝わらないことや聞き取れないことが多くありました。しかし、ドイツ人の生のドイツ語を聞くことはとても良い勉強になり、毎日が刺激的でした。そして、店で食事をしていると、日本語で話しかけてきてくれる人もおり、ドイツ人の温かさや親切さに触れることもできました。

寮生活では、ドイツ人とともに過ごすことでドイツ人の性格や人柄を直に感じることができました。ルームメイトのドイツ人は、真面目な性格で、キッチンやトイレを常に掃除する綺麗好きな人でした。他のドイツ人も部屋を掃除している姿をよく見たので、やはりドイツ人は綺麗好きな人が多いと実感しました。寮の近くには「黒い森」があり、自然に囲まれた落ち着いた雰囲気の中で暮らすことができました。

週末になると、毎週様々な場所を訪れました。最初はミュンヘンへ行き、バイエルンミュンヘンの試合を見ました。とてもピッチに近い席だったので臨場感があり、ドイツ人は皆ビールを飲みながら熱く応援していました。試合はバイエルンの圧勝だったので、スタジアムの雰囲気は最高で、さすがドイツはサッカー大国だと思いました。次の週はスイスのツェルマットへ、マッターホルンなどスイスの山々を見に行きました。雪が降っていたのでマッターホルンを見ることはできませんでしたが、スイスは高い山が多く、物価が高いなど、ドイツとはまた違った一面があり新鮮でした。フライブルクはスイスとフランスの国境沿いにあるため、電車やバスを乗り継いで簡単に行くことができました。フランスにも行き、パリとコルマールを訪れました。コルマールはフライブルクから非常に近く国境沿いにあったので、ドイツとあまり変わらないだろうと思っていましたが、ドイツよりもカラフルな建物が多く個性的な街でした。
 
私は、ドイツ語海外実習に参加し、多くの刺激を受けて感じたたくさんの悔しさや重要だと思ったことを、これからのドイツ語学習に生かし、さらに発展させていきたいと思いました。実際にドイツで授業を受けて感じたことは、自分の意見や思っていることを自ら発信しないと何も生まれず、自分にとって良い情報も得られないということです。同じクラスのアメリカ人やトルコ人のクラスメイトは自分から積極的に質問をしてドイツ語を使おうとしていたので、ドイツ語もより上達していて見習うべきだと感じました。そして、海外留学では積極的な姿勢が何よりも大切だということを再確認しました。
このフライブルクでの一ヶ月間で感じたことを忘れることなく、それを生かし、ドイツ語学習のレベルを上げたいと思います。そして、また近いうちにドイツやフライブルクを訪れたいと思っています。

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