令和2年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

令和2年度は経済学部の授業に関して以下の5つの側面から分析を行った。

(1)全学との比較
(2)学部内の状況
(3)経済学入門科目(経済学入門Ⅰ(必修)、経済学入門Ⅱ(選択必修))
(4)初年次教育導入科目(入門セミナー、データ処理セミナー):
(5)今年度から導入される新4コースの選択必修科目

(1)については全学と比較しても大きな違いは見つからなかった。具体的には、授業参加状況は良好(12回以上参加は春93%、秋91%)で、シラバスを多くの学生が事前に確認している(春83%、秋92%)。しかしながら、準備時間については多くの学生は1時間以内と推奨される4時間と比べるとかなり少ない時間となっている(春秋とも60分未満が約50%)。(2)については、オンライン授業となったことで、授業開始終了時間の徹底、板書の質、私語の対応などに関するクレームはなくなる一方で、その教員の対応に対する評価は概して高かった。(3)の学部教育の基礎となる経済学入門Ⅰ&Ⅱについては両方とも前年度のミクロ経済学入門とマクロ経済学入門と比べると学生の授業満足度は上昇し、このプログラム変更が効果的であったことを示唆している。
(4)については、入門セミナーで少人数授業による担当教員や他学生とのコミュニケーションが取れたことやディスカッションが出来たことを評価する学生が多かった。一方で、データ処理セミナーではパソコン一般やエクセルの使い方が修得できたことの満足度が高いことが確認できた。初年次教育については期待された効果が上がっていると言えよう。
(5)では、来年度から導入される新4コースの科目群について学生から見たコース間の主観的評価を比較してみたが、明らかなコース間の差異は見つからずバランスの取れたコース設定との結論に達した。
来年度以降も、引き続き上記の側面を重視した分析を行う(特に、(3)、(4)、(5)については導入後間もないことから)予定である。
 

2.「公開授業&ワークショップ」についての報告 

参加人数

  1. 「公開授業」:実施せず
  2. 「ワークショップ」:
    新型コロナウイルス感染症蔓延のため、公開授業の代わりにオンライン会議を実施した。
  3. ・実施日時:令和2年9月1日
    ・タイトル:「オンライン授業のためのZoom FD会議」

ワークショップでの意見交換内容

オンライン授業の事例紹介(武田先生)、オンライン授業に関するアンケート調査結果の報告、意見交換
  • 効果:この会議を通して、春学期の教訓に基づいた秋学期におけるオンライン授業の基本的枠組み(ムードルを使った、音声付きPPTによるオンデマンド授業)が決められた。

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

入門セミナーやデータ処理セミナーなどの1年次における少人数授業は、大規模学部における新入生の経済学学習および大学生活への順応性を高める効果を持っている。ミクロ経済学&マクロ経済学入門から経済学入門Ⅰ&Ⅱへのプログラム変更が経済学基礎修得の効果を高めた。

(2)1と2において確認された改善すべき点

(3)、(4)、(5)については導入後間もないことから今後も検証を継続する予定である。

4.次年度に向けての取り組み

経済学部で令和2年度から導入された取り組みは2つある。1つは新4コース制(現代、地域、ビジネス、グローバル)の導入、もう1つは入門経済学の再編成(ミクロ・マクロ経済学入門から経済学入門Ⅰ&Ⅱ)である。次年度も引き続きこれらの新たな取り組みの効果を中心に(1)〜(5)の項目に関して分析を行う予定である。
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