平成29年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

経済学部でアンケートを実施した71授業のうちで32の授業で満足度のスコアが4を上回った。
特筆すべきことは、32の授業の中に多くの大人数科目が含まれていることである。評価の高い科目では、的確な事前事後学習の提示がなされており、受講生が課題に取り組み、そのことが授業内容の理解に役立ち、主体的な学びをおこなったという実感につながっている。
なお、平成29年度の学習成果実感調査の当初の計画では、試行的に実施していた入門セミナーで調査を行うことになっていた。しかしながら、様々な試行錯誤を行う段階でアンケートの対象とするのは時期尚早であるとの意見が出たため、例年通りの科目による調査となった。

2.「公開授業&ワークショップ」についての報告 

参加人数

  1. 「公開授業」:
    5月22日:開発経済学A(大坂 仁 教授)参加教員数:7名
    11月22日:国際経済事情(大川 良文 教授)参加教員数:7名
  2. 「ワークショップ」:12月1日開催(事前アンケート調査で13名参加、当日7名出参加)

ワークショップでの意見交換内容

以下の2点について、意見交換を行った。
  1. 難易度が高い講義における事前課題や授業中の理解を促す工夫について
  2. 試行中の入門セミナー(アカデミックスキル)の現状と課題について

3. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

アンケートを実施した71授業のうちで32の授業で満足度のスコアが4を上回った。少人数科目で評価の高い科目があるのはもちろん、大人数科目にも評価の高い科目が多数含まれている。評価の高い科目では、的確な事前事後学習の提示がなされており、受講生が課題に取り組み、そのことが授業内容の理解に役立ち、主体的な学びの実感につながっているようである。社会学系学部の弱点とされる受講生の多さを、事前事後学習により主体的な学びにつなげる工夫がなされていることは本学部の授業の長所だといえる。

(2)1と2において確認された改善すべき点

科目によっては、事前事後学習の指示が不適切で授業の理解に結びつかない、講義内容を興味深く感じられない、教員の講義に関する熱意が感じられないと評価された科目もいくつかあり、このような科目は総じて、受講生の講義に対する満足度が低い傾向にあった。教員毎の授業力のバラツキを小さくすることと、受講生の理解のスピードや水準に合わせた授業を心がけることは、今後の課題である。

4.次年度に向けての取り組み

次年度から本格実施される入門セミナーについては、担当教員の裁量や個々の工夫を生かしつつ、どの教員の授業を受講した学生であってもアカデミックスキルの基礎を学び、大学生活にスムーズに適応できるような体制になっているか確認することが課題である。また、今年度、授業の評価が低かった授業については、次年度以降の状況を継続的に確認する必要がある。特に、事前事後の課題については適切な指示と活用ができているか検証することが望ましい。
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