令和4年度 秋学期 公開授業&ワークショップ 実施報告
実施日時・場所・参加人数
(1)公開授業とワークショップ
令和4年度には学部授業・カリキュラム改善に向け、春と秋にそれぞれ公開授業とワークショップを行った。
①春学期公開授業:
②春学期ワークショップ:
④秋学期ワークショップ:
①春学期公開授業:
- 科目:「マーケティング入門」
- 担当教員:上元 亘(経営学部准教授)
- 実施日時/場所:場所:6月20日(月)、13:15-14:45、516教室
- 参加人数:8名
②春学期ワークショップ:
- 実施日時/場所 6月20日(月)、14:55-15:30、5号館2階ミーティングルーム2
- 参加人数:8名
- ワークショップでの意見交換内容:
・ムードルのアンケート機能を使った、学生とのリアルタイムの意見交換が参考になった。自分の意見が取り上げられた学生は、学習意欲が向上している様子であった。
・ムードルで、東洋経済などから最新の関連記事リンクを貼っているのも参考になった。
・1回生向け導入科目ということもあり、ゆっくり丁寧な説明をしているのが印象的であった。加えて、スライドの情報量も適切であると感じた。
・説明のたびに、教科書の該当ページを案内するのが丁寧でよいと感じた。このやり方なら、学生も教科書を購入することの意義を分かってくれそうである。
・500人を超える履修者にもかかわらず、中間レポートを課して採点していることは驚きであった。上元先生曰く、採点に1~2日かかるとのことである。
・複数教員による開講科目ではあるが、上元先生曰く、試験やレポート課題はもちろん、レジュメの中身についても比較的統一化しているとのことである。
・学生の私語がやや多かったが、今回は学部教員が見学に来ていたこともあり、これでも普段よりは少なめだったとのことである。昼食後、3時限目の大講義室講義に特有の難しさかもしれない。
・大講義室の照明について、スクリーンと黒板のどちらを優先して調節するかについてはなかなか悩ましいとの意見が出た。
- 科目:経営管理論
- 担当教員:赤岡 広周(経営学部准教授)
- 実施日時/場所:場所:10月13日、9:00~10:30、516教室
- 参加人数:5名
④秋学期ワークショップ:
- 実施日時/場所 10:30~11:00、5号館2階ミーティングルーム2
- 参加人数:5名
- ワークショップでの意見交換内容:
・1限にもかかわらず出席者が多く、私語もないなど、良好な教育環境が実現されていた。
・履修生には予習・復習が推奨されており、それがレジュメの作り方や成績評価とも連動するなど、講義デザインにすばらしい工夫が見られた。
・毎回小レポートを課しており(1回5点満点・合計70点)、その課題も適切なテーマが選ばれていた。毎回の採点は大変とのことだが、今の履修者数なら何とか対応できるとのこと。小レポート用紙の整理は、授業補助員にお願いしている。
・小レポート中心の評価にすることで、運動部などの学生の単位取得可能性の向上につながっている。
・講義中に学生に自発的な発言を促し、インセンティヴとして1回1点を加算している。それが予習のインセンティヴもつながっているほか、出た意見はその場でパワーポイントに書き込むことで、それも学生の励みになっている。また発言した学生を把握するために、教室の座席表を使うなどの工夫を凝らしている。
(2)その他研修会等
①全学教育FD研修会
②学部教育FD研修会
③大学院教育FD研修会
- テーマ:「大学の授業の設計」
- 概要:オンデマンド講義の視聴&意見交換会
- 発表者:沖裕貴教授(立命館大学)
- 実施日: 5月18日(水)2時限目(10:45~12:15)
- 参加人数:25名
②学部教育FD研修会
- テーマ:「卒業研究(演習5・6)の指導について」
- 概要:「卒業論文の傾向に関する考察と内容分析」
- 実施日:7月20日(水)(12:00~12:40)
- 参加人数:21名
- 2021年度に経営学部に提出された145本の卒業論文を対象に、大まかな内容分析を行った。
- テーマは、組織や消費行動、社会課題が多い傾向にある。
- 定性的方法も定量的方法もある。
- 頻出ワードは、次のような傾向を示した。経済主体に注目すると、企業(2,914回)、自分(974回)、会社(836)の順に多い。マクロ環境に注目すると、日本(2,465回)、地域(999回)、環境(948回)の順に多い。企業提供物に注目すると、サービス(1,271回)、商品(954回)、スポーツ(635回)の順に多い。企業活動に注目すると、経営(1,591回)、事業(1,481回)、活動(950回)の順に多い。
- 4)意見交換:
- 教員の研究テーマとは異なるテーマを選ぶことも多いが、学生に身近な現象をきっかけにテーマを選ぶことが多い。
- 卒業論文への動機づけはとても困難である。論文を3回生の時に書いてもらい、論文を書 くことの作業の大変さを前もって知ってもらったり、ラインでグループをつくって励ましあったりといった工夫もしている。
- テーマを決めて卒業論文を進めていく作業は、就職活動の状況などがあり学生同士で一斉ではない。この点、指導(教員のコミットメント)が難しい。
- 卒業論文にコピー&ペーストの文章が含まれないようなチェッカーを導入してもよいのではないか。
- コピー&ペースト対策に、Wordの他にExcelも提出させるなどといった工夫をしている。
③大学院教育FD研修会
- テーマ:「修士論文の指導について」
- 概要:話題提供&意見交換
- 実施日:7月20日(水)(12:40~13:00)
- 参加人数:21名
- 学部教育FDでの卒業研究(卒業論文)に関する話題提供とその後の意見交換を基に、修士論文の指導について意見交換が行われた。具体的には、各教員から次のような意見が挙がった。
- 修士論文では、卒業論文とは異なり、より厳重に引用に注意しなければならない。そのため、コピー&ペーストの文章が含まれないようなチェッカーを導入してもよいのではないか。
- 修士論文の指導を、卒業論文の指導と同じように多くの学生に対して実施することはできない。
- 修士論文で利用予定の調査方法を扱った先行研究を修士課程の大学院講義で読み解く、という授業を設計している。
- テーマ:「新任の先生から見た講義における困難や課題」
- 概要:新任の先生に、本年度の講義を振りかえって困ったことや課題などを短めにご提供していただき、学部教員が共有して(解決策などあれば)討議していただく
- 実施日:12月21日(水)(12:20~13:00)
- 参加人数:23名
- 学生間でパソコン能力やプレゼン能力の分散が大きい(ベーシックセミナーなど)
- どこまで学生主体でやらせ、どこから教員が介入するか、見極めが難しい(ケース分析やゼミ)
- ゼミにおける3年間の到達目標をどう決めればよいか
- 低モチベーション学生(事前準備不足や私語)にどう対応するか
- 講義やゼミにおける必要経費(マシュマロチャレンジなど)を援助してほしい
- 大人数の対面講義では個別の対応が難しく、レポートのフィードバックも大変
- よく質問する真面目な学生がテストでいい点を取るとは限らないのをどうするか
- 事前に理論を学んでから事例分析に進むのではなく、事例を調べる中で必要に迫られて理論を学ぶ、というアプローチもありうる
- 学生のモチベーションの違いは、点数で差をつけることで対応するのも一つ
- 教員にとって、研究費はあるが教育のためのお金はないのが現状
- ベーシックセミナーなどで、数人で作業をさせて互いにパソコン操作を学ばせるのも一つ
- レポートへのフィードバックは、総評という形で講義の中でまとめて紹介するのも一つ
- ゼミについて、学生全てが最後まで残って卒論を書くわけではない、と割り切るのも一つ
- 講義課題は、学生の興味をふまえてテーマを設定するとよい