平成29年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」
1.「学習成果実感調査」についての分析結果
昨年に引き続き、授業満足度、社会との繋がり、学科選択判断などにおいて、イントロ及びイントロ外科目共に高い水準を維持している。しかしながら、事前事後学習については、シラバスにおいて担当教員から詳細な指示を出しているにもかかわらず、いまだ実際の勉学時間は、十分に向上されていないということが明らかとなっている。今後も、受講人数、科目特徴、評価方法、教員区分、学年などの関係を、データに基づいて綿密に分析するとともに、教員間での問題意識の共有を徹底し、これらの課題の解決に向けて学部を上げて取り組むこととしたい。
2. 「公開授業&ワークショップ」についての報告
(1) 参加人数
- 「公開授業」:春学期には、新任教員2名を対象に、①「会計ファイナンス入門」(中井 透 教授、平成29年4月18日(火)2限、5407教室)、② 「経営戦略論」(箕輪 雅美 准教授、平成29年5月2日(火)1限、5303教室)において実施した。
秋学期は全教員を対象に、「ファイナンス概論」(岩城 秀樹 教授、平成29年11月7日(火)3限、5302教室)において実施した。 - 「ワークショップ」:春学期:平成29年5月31日(水)15時30分から16時30分(6名)
秋学期:平成29年11月7日(火)15時から16時(7名、内1名は教育支援研究支援センター課員)
(2) ワークショップでの意見交換内容
春学期のワークショップでは、新任の伊藤 正隆 准教授、宮永 健太郎 准教授を対象に、本学部の特徴、授業方法や学生への対応などを見学し今後の授業の参考にしていただいたことをうけて、先任の教員と懇談し、それぞれが感じたことがらや問題意識について発表していただき、今後の学部授業の改善のための情報を共有した。 秋学期のワークショップでは、「資産評価の原理」をテーマとした当該講義について、岩城教授と出席者間で意見交換を行った。高いレベルの授業内容を、身近な話題を加えるなど楽しく、親しみやすく伝える工夫や、インタラクティブな進め方に対して評価する意見があった一方で、受講生たちの基礎的知識(数学のほか一般常識も含めて)の欠如に対する問題を共有することができた。
3.総括
(1)1.と2.において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所
初年次に経営学への興味を引き起こしつつ、基本諸概念を学ばせるイントロ科目の設置、今後の体系的な授業履修を提示している点。また、各授業では受講生が当該科目に対して興味を持つよう、身近な話題から導入し、かつ具体的な例を出すなど、教員サイドから積極的なアプローチが見られることが長所である。
(2)1. と2. において確認された改善すべき点
昨年に引き続き、事前事後学習と教育の質の向上を図るため、可能な限り大規模授業の低減を図ることで、事前事後学習を促せる体制を整えていきたい。
4. 次年度に向けての取り組み
本学部では、「年次計画書」に掲げた上記の「公開授業」、「ワークショップ」の他、次のような教育FDを実施し、授業改善につなげている。
日時 | 平成30年3月22日(木)15時30分から16時30分 |
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場所 | ミーティングルーム2 |
報告者 | ①涌田 龍治 准教授、②佐々木 利廣 教授 テーマ:ゼミ運営と近年の学生について |
なお、この他、特別セミナーとして次のものを実施した。
日時 | 平成29年10月25日(水)12時15分から13時15分 |
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場所 | ミーティングルーム2 |
報告者 | 伊吹 勇亮 准教授 |
テーマ | 課題解決型授業における法的課題への対処 —伊吹ゼミの事例— |
また、大学教育における研究能力の重要性に鑑みて、研究FDを教授会前のお昼休み(場所はいずれもミーティングルーム2、12時15分から)に、パワーランチと称して実施しており、以下報告者のみを示す。
第1回:篠原 健一 教授、第2回:上野 継義 教授、第3回:具 承桓 教授、第4回:森永 泰史 教授×三輪 卓己 教授[ダイアローグ]、第5回:金光 淳 准教授、第6回:伊吹 勇亮 准教授、第7回:植木 真理子 教授、大室悦賀 教授
この他、学部独自に入学後の学生の「伸び」に関する実感調査や、教員評価における学部平均点と個人点を3つの領域、設問項目ごとに3年間分を個別に通知し、教員各自が学部教育の平均とどのくらいの距離にあるかを確認することにより、授業改善に取り組むよう促している。
このような現状を踏まえて本学部では、次年度においても、①継続的に公開授業・ワークショップを実施し、回数および参加人数の増加を目標に、その活性化を図る、②ワークショップの議論内容を文書化するなどして学部教員で広く共有し、さらなる授業改善に努める、③少人数授業、とりわけ演習についての意見交換会を継続的に実施する。