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- 2016 Apr. Vol.71
映画製作に携わりたいと思ったのは2006年。非人道的な国際ニュースを見た後に、「見知らぬ誰かへの思いやり、その元になる想像力」を持つ難しさを痛感しました。自分を省みると、私の場合は映画から思いやりや想像力を学んだなと。それで始めは、大好きな映画監督を手伝いたいとプロデューサーを志望しました。映画のことならハリウッドに行くべきと考え、約1年後にはロサンゼルスへ。そこで「絶対に夢を実現する」と覚悟を決めてさらに必死に英語を学んでいたのですが、ある日突然「君、演技に興味ない?」とスカウトマンに声をかけられました。その頃はまさか役者になるとは思っていませんでしたが、何事も経験とオーディションを受けたところ、数週間後にはハンガリーへ飛ぶことに。それが「47RONIN」の現場でした。クランクイン日は忘れもしない震災の日、2011年3月11日。「今できることをやろう」。他の日本人俳優の方々と、この作品で被災地の皆さんを元気づけようと誓い合い、初めての撮影がスタートしました。
「47RONIN」で名優たちに学び、演技の奥深さを知ったことで、「役者を続けたい」と思うようになりました。そのために、普段から「何でそう思った?」と自分自身に問いかけることを心がけています。感じ方には人それぞれ"癖"があると思うので、今はそれを把握することで自分への理解を深め、演技力を高めているところです。今後は特に、コメディに注力していきたいと考えています。実は動画配信サイト「Netflix」で放送されている「LOVE」というコメディ番組に、レジ係として出演しています。一般的にアメリカ人には日本人がレジ係として働いているイメージはありませんし、そもそもコメディに出演する日本人俳優も珍しい。だからこそ、私はアメリカの人々に「こんな日本人もいるんだ」と思ってもらいたい。そうすることで自分のキャラを確立できますし、その周りに存在する人たち、役なども広がれば嬉しいです。もし、アメリカのコメディに「関西人」が出てきたら、きっと面白いですよね。