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- 2013 Jul. Vol.60



「ユニバーシアード」は、大学生のオリンピックと呼ばれる競技会です。今年、この大会のハーフマラソン日本代表に選出されました。2年次までは結果が出せず、厳しい練習に気持ちがついていかなかったり、体調を崩して練習できなかった時期には、本気でやめようとも思いました。それでも諦めなかったのは、「泣いても泣いても頑張れ」と言ってくれた高校の恩師と、黙って見守ってくれた両親の存在があったからです。心配をかけた分だけ、勝って喜ぶ姿を見せたいという一心で練習に打ち込みました。そして今年、自分の走りが力強くなったこと、メンタル面の調整が上手くなったことに気付き、監督の厳しさも、これを乗り越えるための思いやりだったと改めて感じましたね。多くの方の支えで実現した世界への挑戦、メダルを取って恩返しがしたいです。
奥野さんがユニバーシアードに内定した選考会の賞状。2013年の7月12日にロシアのカザンで行われる本大会で海外遠征にも初挑戦。




シクロクロスは、草原や海岸など障害物のあるコースを時間内に何周走れるかを競う自転車競技。地面の起伏が激しい時などは、自転車をかついで走るのが特徴です。今年、二度目の参加となった世界選手権では、アメリカのケンタッキー州に渡り、沼地のある草原のコースを走りました。当日の最低気温は-10度。沼を抜けた後はユニフォームに付いた泥が凍る寒さのなか、全力で走りましたが、結果は42人中34位。世界の強豪と競って感じたのは、実力の差とシクロクロスの「選手」として1戦にかける姿勢の違いです。もっと「選手」として成長し、世界でも負けない実力を付けたい。体力面もメンタル面も、着実に伸ばすことを意識しながら、日々練習に打ち込んでいます。
2013年の2月に開催された世界選手権の様子。日本からは中井さん含め2人が出場した。シクロクロスを国技とする国の選手とも戦うなか、プロになりたいという思いも高まった。


一面に広大な草原が広がる山口県の秋吉台、標高2000mの山で縦走に挑戦した屋久島…。去年の夏から秋にかけて、僕は自転車で日本を一周しました。最初は不安でいっぱいでしたが、無事に完走できたのは、途中で出会った方々のおかげです。夕暮れの熱海でのこと。テントを張る場所が見つからずに焦っていた時、自転車で日本一周した経験を持つ地元の男性が声をかけてくれて、食事から宿まで大変お世話になりました。その後も各地で想像以上の多くの方に助けられ、励まされ、不安は次の出会いへの期待に変わっていました。一歩踏み出すことで、素晴らしい出会いがある。旅での実感を大切に、今後もいろいろなことに積極的に挑戦したいです。
旅で出会った人に勧められ購入した石田ゆうすけさんの著書。世界一周の話を読みモチベーションを上げた。後日石田さんが本学OBと知り驚いたという。




世界的な観光地である東山地区ですが、坂や階段が多く、高齢者や障害を持つ方には不便が多い…。その問題解決のため、区役所と「東山おもてなし隊」というコミュニティ作りに取り組み、車イスの介助や道案内などに協力してくれる店舗や施設を募りました。特に印象的だったのは、地域の方との交流会で聞いた「常にお客さまの期待の一歩先を行く」という言葉。サービスのプロに提案するには、私たちの企画は、活動の具体的なメリットなど曖昧な部分があると気付かされました。メンバーと話合いを重ねて企画を詰めて店舗を訪問し、さらに企画を練り直すことを繰り返した結果、30件の協力を獲得。今後は観光客の反応の調査など、より活動の充実を目指します。
誰もが快適に楽しめる観光地作りを目指す「ユニバーサルツーリズム」を実践。ロゴの作成一つにも、思いを形にする難しさを知った。
