京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2013 Jul. vol.60

特 集 予算・決算を読み解いて、“利用しなきゃ損!” を実感!「大学のお金」講座! みなさんは普段、学内でどれくらいのお金が動いているかを知っていますか?1万3千人を超える学生が在籍する本学では、170億円以上ものお金が学生のサポートのために活用されています。今だけの貴重な学びのチャンスをムダにしないためにも、「大学のお金」の動きや仕組みについて今すぐチェックしておきましょう!

Lesson 1 学内での過ごし方が変わる!?身近な「お金」事情!

まずは、皆さんの身近なところで動いているお金について見ていきましょう。普段、何気なく使っているものも、こんなに大きなお金が動いているんですね。 ※平成25年度予算より算出

光熱水費 年間約5.6億円 1日あたり約150万円 図書館資料収集 年間約3.9億円 図書総額 約66億円 ※蔵書総数 1,066,826冊 国際交流 年間約1.8億円 留学に関する奨励金 約1億円 交通対策 年間約1.0億円 シャトルバス 約7,400万円 京都バス40系統 特割定期券補助金 約3,000万円 この他にも、大学で利用できるサポートはまだまだありますよ!ぜひ活用してくださいね。

質問ですっ! 学内では上記のように大きなお金が動いているのに大学の運営は、学費だけで足りているのでしょうか? 大学の収入は、実は学費の他にもあるのです。そのため、みなさんへのサポートは、学費以上に充実しているのです。ここでは知っているようで知らない学費のヒミツを紹介します。

1年間の学費1人分約102※万円に、※全学部の学生1人あたりの平均を算出

国からの補助金など、学費以外の収入が加わり…

収入の合計が約131.4万円に!

学費とその他の収入の総額は、約174億ものビッグマネーに!これらは主に教育活動のために支出されます。※大学部門のみを算出

Lesson 2 1年間の大学 の動きがこの中に!2013年度予算書 を読んでみよう。

一見すると難しく見える予算書ですが、読み方が分かれば、大学が今年どんなことにお金を使おうとしているのかや、昨年との違い などが見えてきますよ。

2013年度 資金収支予算書 その年度の資金の状況と、その年度に行った諸活動に伴う資金の動きの全てを記録・管理することを目的としています。

まずはこの用語をおさえよう!学生生活に関わりの深い大学の収入と支出

1学生生徒等納付金収入入学金、授業料や実験実習費、教育充実費などの学費です。 本学最大の収入源となっています。

2手数料収入入試の受験料を中心とした手数料による収入です。各種証明書の発行手数料などもここに含まれます。

3補助金収入国庫補助金である「私立大学等経常費補助金」や「私立大学等研究設備整備費等補助金」などがあり、学生生徒等納付金収入に次ぐ収入源です。 皆さんの教育は、国や国民の方々にも支えられています。

4資産運用収入大学が保有する預貯金や債券(国債、財投機関債など)の利息収入が中心です。その他、大学諸施設の賃貸料収入も含まれます。

5人件費支出専任教職員や非常勤講師、嘱託職員、契約職員、学生アルバイトの給与などにあてられる支出です。

6施設関係支出土地や建物などの固定資産取得のための支出です。※新2号館(仮称)・新追分寮(仮称)の建設に伴い、前年度と比較して増加しています。

7設備関係支出教育研究のための機器備品や図書などの固定資産取得のための支出です。

8資産運用支出将来の固定資産取得のための積立金や、特定事業目的のための引当資産などへの繰入額です。

2013年度 消費収支予算書 主に、今年1年(2013年4月から2014年3月まで)の諸活動に伴う全ての収入・支出の内容とバランスを明らかにし、大学の経営状況を示します。

まずはこの用語をおさえよう!より専門的な大学の収入と支出

1帰属収入負債とならない大学の収入(学生生徒等納付金・手数料・寄付金・補助金など)のことです。

2基本金組入額固定資産(土地・建物・備品・図書など)の取得価額、将来の固定資産取得のための積立金や特定目的(奨学事業・課外活動事業など)のための基金への積み増しのためにあてられた額を表します。

3消費収入帰属収入から基本金に組み入れる額を控除した後の額です。人件費をはじめとした消費支出にあてる収入額を表します。

4減価償却額建物などの有形固定資産の劣化分を耐用年数(使用予定年数)に応じて費用として計上するものです。

5消費支出教育研究活動に伴う全ての支出総額のこと。人件費をはじめ、教育研究経費、管理経費、借入金等利息などに加え、固定資産の減価償却額も含まれます。

計算書って多様なのですね。ところで、学校会計と企業会計はどこが違うのでしょう?「利益」を目的とせず、教育活動を重視した事業展開が可能となります。一番の違いは、学校法人は教育研究を最大の目的としていること。企業のように利益を得ることが目的ではないため、企業会計における損益計算とは異なります。右の資金収支予算書と消費収支予算書、10ページの貸借対照表で収支のバランスと財政状態を正しく捉え、大学の永続的発展を目指しています。なかでも特徴的なのが、消費収支予算書にある「基本金組入額」という項目。教育研究活動を永続的に展開していくための、安定した財政基盤の確保を目指した仕組みです。また、学校会計では予算を重視します。収入・支出とも事業計画に基づき適切に予算を編成し、その予算のもと諸活動を展開していくこととなります。大学ではこのように、皆さんの学費を大切に計画的に使いながら、学びを充実させています。

Lesson 3 ”生きた“資金投下により、ハード・ソフト両面でさらに充実。 お金で見る、キャンパスの進化。

次に、年度ごとのお金の使い方を見てみましょう。大学は着々と学生のための環境づくりを進めているんですね。

まだまだ充実!期待の学生支援はコレ!2013 年度の事業計画 今年、大学が力を入れている学生向けの取り組みは何ですか? “社会で役立つ力”を育む教育改革や就職支援です。 企業の選考活動の短期化や、大学生の就業力向上への社会の要請などを受けた教育改革、就職支援体制の向上などを中心に、学生支援をさらに強化します。

キャリア教育約1億100万円大学生の就業力向上を目指す「平成22年度文部科学省就業力育成支援事業」に採択された取り組み・授業をもとに、キャリア教育をより推進。専門教育と協働したコーオプ教育(産学連携型教育)の全学展開に力を入れます。具体的には、低年次からのキャリア形成支援教育科目の受講生枠拡大や、PBL型科目のプログラム内容の向上、課外講座など資格取得サポートの充実を図ります。

修学支援約1億600万円学生・教員・職員・保護者・社会などの「つなぎ」をキーワードとする、きめ細かな修学支援体制「つなぎプロジェクト」を推進しています。今年度は過去の支援内容の分析結果から、浮き彫りになった課題を改善することで、より一層「つなぎ(連携)」を深めた修学支援策を実施していきます。特に、在学生が新入生を支援する「ピア・サポート制度」や「出席確認システム」を活用した修学指導などの発展・充実を図ります。

進路支援約8,500万円就職活動に対する情報は、千差万別でさまざまなものがあります。本学では、進路・就職支援センタースタッフが年間700社を超える企業を訪問し、最新の情報を収集するとともに、8,000社を超える求人から皆さんに最適な情報(企業・求人)を提供しています。また、就職活動が本格化する3年次生からは年6回の「就職ガイダンスを柱に各種支援プログラムを展開。特に個人面談に注力し、一人ひとりの個性を尊重しながら不安や悩みの払拭を図り、面談によって成長する支援を展開しています。

情報教育約2億2,700万円情報教育の整備・充実を図り、常に最新の高機能な情報設備を学生に提供しています。なかでも、講義資料の提示や課題の提出などを行う学習支援システム「moodle」では、授業中に担当教員と受講生が双方向に理解度を共有できる仕組み(携帯端末を用いたクリッカー)を取り入れ、さらなる普及と利用促進も図ります。

課外活動約2億100万円全国大会や西日本大会に出場する個人や団体に対し、交通費の援助を厚くするなど、課外活動支援を充実。そのほかクラブ・サークルなどへの支援として、連盟費や大会参加費、演奏会などの会場費、さまざまな行事やイベントなどを運営する学生団体「志学会」予算のサポートも実施します。

奨学金約3億4,500万円 奨学金といえば「日本学生支援機構奨学金」が一般的ですが、本学では独自の奨学金制度を数多く設置しています。今年度においても引き続き、各学部の学業成績優秀者や在学留学者、課外活動優秀者など、対象者への奨励金の給付や学費の減免をはじめ、家計支持者の失職や被災などのため、修学継続が困難となった学生への奨学金の給付といった経済的な支援など、さまざまな学生が安心して学生生活を送れるよう、幅広い支援を実施します。

覚えていますか?昨年度に起こった注目の出来事。2012 年度の事業報告本学では、2005年度に策定した将来構想「創立50周年(2015年)を目指したグランドデザイン」をもとに、改革事業を進めています。2012年度はさらに、新スローガン『Keep Innovating.』を掲げ「、型やぶりな挑戦を続ける大学」として、次の50年、100年を見据えて歩み始めました。

創立50周年記念事業の実施創立50周年記念事業を段階的に実施。9月には朝日地球環境フォーラム2012に出展・協賛し、関東以北での本学のブランディング強化と、創立50周年の周知を図りました。さらに11月27日には、キックオフイベント「むすびわざDNAプロジェクト始動宣言式典」を開催。新たなロゴやスローガン、「4つのアクションプラン」を発表しました。

ミツバチ産業科学研究センターを設置産業界および社会への貢献を目的に設置。本学が蓄積してきた動植物の育種研究の実績やバイオテクノロジー技術をもとに、ミツバチの遺伝学・生態学などの基礎的研究はもちろん、養蜂産業・農業などに寄与し得る実践的研究体制を構築します。

教室プレゼンテーション設備の充実デジタル映像教材の普及に対応し、教卓用パソコン90台とプレゼンテーション設備48式を更新。大教室の中ほどに大型スクリーンを増設し、後部からの視認性を高めました。さらにポータブルのブルーレイ再生装置40台を導入。各教室でのメディア再生も可能に。

第2実験室棟に、エレベーターと渡り廊下を設置第2実験室棟にエレベーターと13号館への渡り廊下を設置し、図書館周辺を改修するなど学内のバリアフリー化を推進。野球場の外野人工芝改修、神山ホールの機器更新も行いました。

図書館システムの充実関西圏の大学図書館では最大級となる約80万冊の資料が収容可能な自動書庫が完成。書庫稼働に合わせて「、KSU-Ca(t 京都産業大学図書館所蔵目録)」からクリック1つ(出庫指示)で自動的に資料を搬送してくれる連携システムも完成しました。これにより、資料の一元管理が可能となったため、出庫指示から約5分で閉架図書を提供できるようになりました。

京都産業大学では、なぜこんなに詳しく事業報告をするのですか?学生のみなさんに、本学の事業内容を知ってもらい、より充実した学生生活を送ってもらうためです。また、大学は主に学費や補助金など公共性の高い資金で運営されています。そのため、学生のみなさんが安心して修学できるよう、また保護者・卒業生や地域の方々などのご理解を得るためにも、より分かりやすい情報の公開を積極的に行っています。

take an examination 2012年度決算書の解読にチャレンジ!

腕試しに、プチテストに挑戦してみましょう。決算書が読めると、「お金の動き」から「大学の今の状況」が分かるようにもなりますよ。

2012年度 資金収支計算書

2012年度 消費収支計算書

2012年度 貸借対照表 消費収支計算をもとに作成される表です。年度末における資産、負債、基本金及び収支差額を明らかにし、大学の財政状態を表します。

プチテスト 以下の問題に当てはまる語句を選ぼう!

Q1学生生徒等納付金収入とは、2012年度のの総額を表したものである。 1手数料 2学費 3補助金

Q2本学において、学生生徒等納付金のQ1 次に多い収入はである。1補助金 2寄付金 3手数料

総括2012年度の決算は、帰属収入が193億8,700万円、消費支出が180億6,000万円となり、帰属収入から消費支出を引いた帰属収支差額は13億2,600万円となりました。基本金組入額は30億6,600万円となり、帰属収入から基本金組入額を控除した消費収入と消費支出の差額では、17億4,000万円の支出超過となりましたが、これは本学の永続的な発展のための固定資産の取得によるものです。予算・決算は大学HPでも公開しています!収支計算書を参考にすると分かりやすい!

答え…Q1:2 学費 Q2:1 補助金

予算・決算情報はコチラから!

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