京都産業大学 キャンパスマガジン サギタリウス VOL.49
Portrait
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「ありがとう」が満ちあふれる会社へ。
今年3月、アサヒビールの代表取締役社長に就任した泉谷さん。「社長室のイスに座っている時間は、ほとんどないんですよ」というその言葉どおり、就任以来、全国の取引先や事業所を飛び回る。「現場でお客さまの声をおうかがいすると、多様なニーズをお持ちになり、消費が個性化してきていることを改めて実感します。また若い社員たちからは、海外に出て資格を取りたいから休職制度を1年から2年に変えてほしいなど、さまざまな意見が出てきます」。それら"現場の声"をくみ上げ、よりよい会社づくり――ひいては、お客さまに満足いただける、よりよい商品づくりへとつなげていく。「社長就任時に『ありがとう』という言葉が満ちあふれる会社にすることを目標のひとつに掲げました。社員同士が部門や立場を超え、お互いに感謝の気持ちを持って助け合い、一致団結する。その『ありがとう』の気持ちが周りのお得意さま、さらにはお客さまにまで広がっていき、その結果として商品を買っていただく。そうすることで会社の信用・信頼もつき、商品に対する親しみも持っていただけるようになると考えています」。
どう売るかではなく、どう買っていただくかを考える。
「商品をどうやって売るかを議論するのではなく、どうやって買っていただくかということを考えることによって、お客さま第一主義が実現します」と語る泉谷さん。その視線は新商品はもちろんのこと、定番となっている既存の商品にも向けられる。例えば昭和62年の発売開始以来、主力商品として数多くのお客さまから支持されてきた「アサヒスーパードライ」の新しい楽しみ方として、氷点下でのスーパードライが体感できる「アサヒスーパードライエクストラコールド」を今年提案した。この提案も消費者の声を反映して誕生したもので、その根底には「お客さまの評価に合ったものを提案・提供する」という一貫した姿勢がうかがえる。「スーパードライや今最も市場が伸びてきている第三のビールをはじめ、いずれの分野でも市場のニーズに応えられる、新しい価値を持った商品を提案していくことが目標です」。

自分の可能性を信じ、チャレンジしてほしい。
「私が入学した頃は大学ができたばかりで、そこら中に何か新しいものを作っていこうとする雰囲気があふれていました。先生方をはじめ、周りの学生も個性的な人間ばかりで、キャンパス全体から大きなパワーを感じていましたね」。そんな周りの人たちとの交流、さらには大学での勉強のほか、小説を読んだり美術館をめぐったり、多感な学生時代に多くの人と会い、いろんなモノに触れた。「そういった時間の中で過ごした京産大での4年間が、私の人間形成にすごく役に立ちました」と当時を振り返ってくれた泉谷さん。最後に後輩たちへのメッセージをいただいた。「学生の皆さんには、これから先多くの時間があります。そして時間があるということは大変な資産であり、それを生かすためには自らの可能性を信じないと時間を無駄に過ごしてしまいます。なりたい自分を描き、とにかく自分の可能性を信じて、いろんなことにチャレンジしてみてください」。
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