【外国語学部】平和村の支援活動が必要のない世界を願って。ドイツ国際平和村職員による講演会

2022.06.24

外国語学部の専門教育科目「ドイツ学入門Ⅰ」(リレー講義、担当:島 憲男教授)にて、ドイツ国際平和村職員の中岡 麻記氏による講演会が開催されました。講演会は外国語学部講演会として開催され、この科目の履修者以外にも多くの学生が参加しました。

(学生ライター 現代社会学部1年次 大西 花歩)

ドイツ国際平和村とは、戦争や紛争で傷ついても、現地で適切な治療を受けられない子どもへ治療支援をするために、1967年に設立されました。ドイツ語専攻(旧:ドイツ語学科)では、在学生や卒業生が現地でボランティア活動を行うなど14年前から交流があり、平和について関心を高めています。

卒業生の活躍を紹介する様子

今回は、ドイツ国際平和村職員の中岡氏が、ドイツ国際平和村の活動や現状について現地からオンラインで講義をされました。

〇×クイズをしている様子 参加型で楽しく学ぶ

中岡氏はまず、活動内容について紹介されました。
ドイツ国際平和村は、①母国で治療を受けられない子どもにドイツでの治療を提供する活動、②現地の医療環境を充実させるためのプロジェクト活動、③人々の人道的・社会的意識の喚起を目的とした平和教育活動の3つの柱を軸に活動しています。
中岡氏はそれぞれの活動内容や現状について、詳しく説明されました。

講演を行う中岡氏

講演の最後に中岡氏は「まだまだ遠い道のりにはなるが、ドイツ国際平和村の活動がなくなる世界がやってくるのが願いである」と語られました。ドイツ国際平和村では、子どもたちが互いを思いやり、助け合う場面を見ることが多々あるのだそうです。そういった「平和」というものを体験した子どもたちが、治療・リハビリを終えて母国に帰り、その国の希望となって国を盛り上げていく力になっていくことから、ドイツ国際平和村の活動は「持続可能な活動」であり、いつか願いも叶うと信じていると思いを述べられました。

講演後、島教授は「日本でも平和について考える必要がある。私たちは世界に絶望することなく希望を持ち続けなければならない。そして、希望を持ち続けるだけではなく、小さくても一歩を踏み出さなければならない。自分に何ができるのかを一人一人が考えて行動してほしい」と受講生に語り掛けました。

真剣に講演を聞く受講生

受講生は熱心に講義を受け、普段の生活の中では考えることが少ない平和について真剣に向き合おうとしている様子でした。
受講生からは「実際にドイツ国際平和村で働いている日本人の方から話を聞くことで、平和についてより深く考えるきっかけになった」「貴重な話が聞けたので参加して良かった」といった感想が寄せられました。


講演を聞いて、中岡氏の「平和は向こうからやってきてくれない」という言葉がとても印象的でした。一人一人が自分にできることを考え、意識を変えて行動することで、「平和」に大きく近づける気がしました。大勢の人の意識を変えていくためにも、このような講演会をこれからもどんどん開催することはもちろん、少しでも多くの学生に参加してもらいたいです。

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