【文化学部】祇園祭 函谷鉾の運営を通して“ホンモノ”の京都文化を実体験!

2022.06.24

岡本理事長による講義の様子
文化学部専門教育科目「京都文化フィールド演習A」は、京都の誇りであり象徴でもある祇園祭の運営に学生スタッフとして携わりながら、先人たちから脈々と受け継がれてきた、“ホンモノ”の京都文化を学び体感する授業です。運営補助を行う函谷鉾(かんこぼこ)は、数ある祇園祭の山鉾の中でも長刀鉾と並び「くじ取らず」の鉾二番として定位置を巡行する鉾です。今回の授業では函谷鉾保存会理事長の岡本 正氏ら役員をゲストにお招きし、函谷鉾の歴史や当日の運営についてお話をいただきました。
(学生ライター 経営学部1年次 石井 季菜紗)
函谷鉾
祇園祭は日本三大祭りの一つで、ユネスコ無形文化遺産にも登録された、京都の伝統的な祭りです。祭りが始まったのは1153年前の平安時代で、京都では疫病が流行り多くの人が亡くなったため、疫病を鎮めようと神泉苑で66本の鉾を建て、祇園社(現在の八坂神社)から神輿を出し、疫病の退散を願ったことが始まりでした。
祇園祭は応仁の乱や天明の大火で多くの山鉾が焼けたため、存続が危ぶまれたこともあります。しかし情熱を持った人々により山鉾は再建され、現在まで受け継がれています。


講義では岡本理事長から函谷鉾町についての起源や歴史、保存会での取り組みについて説明されました。祇園祭の当日、学生は保存会の用意した両袖がKSUブルーの専用Tシャツを着て参加することから、「大学の看板を背負っている一員であることをしっかり意識して取り組んでほしい」、続いて伊藤専務理事が「コロナ禍でも活動を続けてきた先輩たちの意志を受けつぐ気持ちも持ってほしい」と述べられました。
この2年間、上級生たちはコロナ禍だからできる活動を行ってきました。2020年度は宵山の夜に駒形提灯を落とす提灯落としをオンラインで再現し、配信しました。2021年度は運営支援の機会が限定された分、全山鉾町に聞き取り調査をし、鉾町では胡瓜を食べないという通説の検証を行いました。
過去2年間は鉾町と結んでオンライン中継での講義でしたが、3年ぶりに復活した今回の対面講義には、上級生たちも参加しました。先輩たちの活動を受け継ごうと、1年次生は熱心に耳を傾けていました。「鉾を守る皆さんの熱意が伝わり、こちらまで熱くなりました」「ご縁を大切に、という言葉が沁みました、今日のご縁を大切に祇園祭に臨みます」などの感想が聞かれました。


京都の伝統行事である祇園祭に、実際に参加できることはとても光栄なことだと思います。現代では伝統行事の後継者が少なく、中には存続が難しいとされている行事もあります。この授業を通して、祇園祭やそれ以外の伝統行事にも興味を持ち、受け継いでいく方が増えることを願っています。

PAGE TOP