香老舗「松栄堂」の新しい経営戦略とは?〜中井ゼミ 企業研究の発表〜

2020.12.09

研究成果を発表する中井ゼミの学生
2020年11月17日、ビジネスモデルの研究をしている経営学部の中井ゼミが香老舗「松栄堂」に対する企業研究の発表を行いました。発表の内容は松栄堂が販売をしている「お香」をどうすればより多くの人に購入してもらえるか、という事を様々な観点から考察し、それぞれの切り口から経営政策案を提案するといったものでした。今回、ゼミ生はA〜D班に分かれ発表を行いました。

A班の提案は松栄堂の薫習館にカフェを設置し、そこでドリンクとお香をセットで販売するというものでした。薫習館はお香の歴史や、様々な香りに触れる事ができる施設です。それぞれのドリンクは、お香の香りにちなんだ名前や種類になっていて、ドリンクを注文する事でお香に興味をもってもらう事ができます。特に20代はカフェへの関心が高いため、若い世代の人たちの購入を促す事ができるという提案でした。

B班は貸個室を利用してリスンのインセンス(香り)を使用してもらい、まるでドリンクバーのように香りを体験してもらうというものでした。リスンとは松栄堂がプロデュースするインセンスの直営店です。リスンにはおよそ150種類のインセンスがあり、従来のお香と比べて様々な種類の香りを楽しむ事ができます。また体験したインセンスを購入し家庭で使用してもらう事でおうちの中を別空間に変化させる事ができます。これらの施策によってこれまで大きく展開されていなかったリスンの知名度の向上を狙う事ができると提案しました。

C班は他の日本文化との融合に着目し、着付け教室等にお香を設置させてもらい、日本文化に興味がある人たちに、お香にも興味を持ってもらうという提案を行いました。松栄堂が独自に行っている活動の一つである「日本文化としてのお香を広める活動」を拡大し、競合企業の中でリーダー的存在になることができると考えたそうです。

D班は松栄堂の販売方法にサブスプリクションの導入を提案しました。SNS等でお香を紹介し無料キットを試してもらい、お客様が気に入れば、サブスクリプションの登録をしてもらうというものです。これによりお客様と継続的な関係を築けると考えたそうです。

発表を聞いていた松栄堂の専務取締役である畑 元章さんと京都信用保証協会専務理事である上原 裕史さんからは、「レベルの高い提案でした」などのお褒めの言葉の他、インスタグラムの影響で若年層のお客様が増えた実際の事例等、松栄堂を取り巻く環境等についてお話があり、ゼミ生らは熱心に聞いていました。最後にゼミ生に匂い袋のプレゼントがあり、研究発表は幕を閉じました。
中井ゼミについて
香老舗「松栄堂」
薫習館

今回は中井ゼミの企業研究の発表をレポートしました。どれも様々な切り口から考えられた提案でとても面白いと思いました。また、私自身の「お香」に対する考えが、以前の堅いイメージから、新鮮で興味深いイメージに変わりました。今回研究を行ったゼミ生は、私以上に「お香」に対する感じ方が変わったのではないでしょうか。大学生には学年問わず、新しい世界を知ることで大きく成長できる事を知って欲しいと切に思います。

(学生ライター 理学部2年次  老田 将大)
松栄堂 専務取締役の畑 元章さん
京都信用保証協会専務理事の上原 裕史さん
発表を熱心に聞く中井ゼミの学生
PAGE TOP