【国際関係学部】2023年度第2回、外部支援金による海外渡航の成果報告会が開催されました!

2024.03.04

2024年1月15日(月)に、国際関係学部生による海外渡航成果報告会が実施されました。
本取組は、一般社団法人 一枝会が実施する「行ってみ!チャレンジ」で研究が採択された学生による報告会で、今回は秋から冬にかけて現地調査をした2人の学生から、調査方法や研究結果について発表が行われました。

(学生ライター 国際関係学部4年次 佐藤 美宇)


各学生の研究テーマ

  • フランスにおける「衣料廃棄禁止法」の背景とその実態
  • 新興国における企業の共有価値の創造(CSV)、社会的責任(CSR)プログラムを通じての地域活性化について
「行ってみ!チャレンジ」の概要を説明する吉川准教授

フランスにおける「衣料廃棄禁止法」の背景とその実態

まず冒頭に報告者の中村さんからは、本報告が、企業による売れ残り製品の廃棄を禁止し、繊維廃棄物在庫に関する法律として世界で初めて制定された衣料廃棄禁止法に注目し、その法律が国際社会やアパレル業界に与えた影響について調査することを目的としていることが説明されました。そして現地蚤の市、古着屋、リサイクルショップ、ファストファッションでの店舗調査を行った結果、フランスでは衣料回収品ボックスの設置やサステナブル商品の広告が多いこと、そして老若男女にセカンドハンド品の需要があることが分かり、現地の方々が物を大切にする価値観を重視していることが垣間見えたと報告されました。そして、法律の認知度に関するアンケート調査から、国民と政府・企業間で法律の認知にギャップがあることについても報告されました。

国際関係学部4年次 中村 天美さんの報告の様子

また質疑応答では、フランスと同様に物を大切にする日本で、アパレル業界のセカンドハンド品普及の比較について質問があり、それに対して中村さんは、日本人の古着に対するイメージやきれい好きという価値観を背景に普及の難しさについて言及され、国際社会として環境に配慮する視点を持つことができれば日本でも普及するのではないのか、との見解を述べられました。

質疑応答の様子

タイ王国における企業の共有価値の創造(CSV)、社会的責任(CSR)プログラムを通じての地域活性化について

CSR (Corporate Social Responsibility)とは、企業の社会的責任であり、利益追求だけでなく株主、消費者、生産者をはじめとする全ての利害関係者に対して責任ある行動や説明責任を果たす概念です。それに対しCSV (Comma separated values)は、企業価値の創造を意味し、企業活動を通じて地域や社会課題を解決しながら自社の経済的利益につなげる概念とされています。
報告者の奥藤さんは、このような概念が企業に与える経済的影響を調査するため、今回、持続可能な経営を行っているコーヒー店とタイに進出している日本企業にインタビューを行ったこと。インタビューの結果、まずコーヒー店に関しては、自社で生産から販売までの基盤を確立させることで、タイ国内の貧困問題や山間地域の雇用問題が改善されこと、そして日本企業については、独自の持続可能な経営に関する価値観の設定や商品をローカライズすることで、タイの地域活性化や食育に貢献することができたことが説明されました。そして、今回の調査結果から、CSR、CSVに関わらず、企業が行える最大限の取り組みを行うことで持続可能な社会を構築することができると報告されました。

国際関係学部3年次 奥藤 愛さんの報告の様子
質疑応答を行った後、吉川准教授からは「業界によって社会的責任を果たす経済活動が異なるため、業界を絞るとより細かい分析を行うことができる。」と、今後の研究活動に向けたアドバイスが送られました。
研究について講評する吉川准教授

今回は、日本とは異なる環境のなかで、自ら設定した渡航目的を研究成果として持ち帰られた2人の計画性と行動力の高さを感じ取ることができました。そして報告会の最後に、報告者の2人から本プログラムに挑戦したいと考えている学生に向けたメッセージとして、「チャレンジ精神・明確な目標設定と緻密な計画・臨機応変さ」が大切であることが伝えられました。本報告会は、興味深い研究内容と為になるアドバイスであふれていて、終了後には自分も何かに挑戦したいと思える貴重なイベントになりました。

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