【国際関係学部】日本酒を海外の20代に売り込め!~玉乃光酒造~

2024.01.12

12月19日(火)3時限目、「国際ビジネス論Ⅱ」(担当:植原 行洋教授)において、玉乃光酒造株式会社輸出事業部の深井課長と酒粕事業部の山川プロジェクトリーダーのお二人をお招きし、学生のプレゼンテーションに対する講評と日本酒ビジネスに関するご講演をいただきました。

(学生ライター 国際関係学部4年次 越智 慎之助)


講演会開始に先立ち、植原教授より外部講師の紹介を含めたイントロダクションがありました。本講義では、玉乃光酒造が酒造・販売する日本酒の海外展開について、学生が効果的なマーケティング戦略を立案し提案しました。プレゼンテーションを行ったのは、事前に玉乃光酒造のお二人と植原教授によって選定された優秀提案書を仕上げた3グループでした。

まず初めに、香港市場への参入を提案する学生グループからの発表がありました。
香港市場の経済状況やお酒文化に加えて、販売商品自体の分析を4P分析(Product:製品、Price:価格、Place:流通、Promotion:販売促進)とSWOT分析(Strength:強み、Weakness:弱み、Opportunity:機会、Threat:脅威)を用いた効果的なマーケティング戦略の提案をしました。若者が集うバーやクラブでのカクテルコンテスト開催が特徴でした。

香港市場への提案をする学生
次に、フランス市場への参入を提案する学生グループからの発表がありました。
PEST分析(Politics:政治的要因、Economy:経済的要因、Society:社会的要因、Technology:技術的要因)を用いて、フランス市場参入におけるリスクと機会の分析を行い、輸出に適した商品の選定やマーケティング戦略を考案しました。フランス料理のヘルシー志向への変化に機会を見つけたことや、アニメ・漫画人気を取り込んだコラボレーションの提案が興味深かったです。
フランス市場への提案をする学生
最後に、中国市場への参入を提案する学生からの発表がありました。
中国文化と日本文化の親和性の比較や市場トレンドについてSWOTクロス分析による、積極的なマーケティング戦略を考案し、市場参入の可能性を探りました。現地のローカルフーズに適合したマーケティングや京都ブランドのお菓子との共同開発の提案が印象的でした。
中国市場への提案をする学生
それぞれのグループの発表に対し、玉乃光酒造のお二人と植原教授から講評がありました。
「若者視点からの発想があり、戦略として面白い」「根拠のある資料で、ロジックが通った説得力のあるプレゼンテーションだった」と好評をいただいた一方で、「オーガニックを売りにした日本酒と若者の接点をどう実現するのか(4PのProduct・Place・Promotionの不整合の指摘)」「現地人に売り込む際、日本酒の真の競合相手は誰なのか見極めが必要」「分析のデータの単位をそろえるべき」といったご指摘を頂くことができ、国際ビジネスにおける実践的な学びの機会となりました。
深井氏による講演

講義の後半では、深井氏による玉乃光酒造の説明と国際ビジネスに関するご講演がありました。
玉乃光酒造が実際に取り組んでいる海外営業や展示会の様子、商談や現地人向けの酒トレーニングといった、ビジネスの“リアル”を勉強することができました。また、直販・代理店経由などの商流の違いや、利益構造などの実態も興味深い内容でした。

私自身も多くの国に訪問していくなかで、必ずと言っていいほど“SAKE”という文字を訪問国で見かけ、日本酒の存在感の大きさに注目していました。 ユネスコの無形文化遺産に登録されている和食における“SAKE”の海外への普及にさらに関心が高まったとともに、アニメや伝統工芸品等の日本文化を基盤にした海外のマーケティング戦略にも着目していきたいと思います。

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