【外国語学部】「ドイツ語海外実習を振り返って」吉田 塁さん

2024.05.24

私は2024年のドイツ語海外実習で三週間ほどフライブルクに滞在した。
その間、私はあろうことかほとんどの時間を一人で過ごした。さすがに黒い森とアルザス地方の日帰り旅行のときは仲間とともに行動していたが、放課後や週末は一人で行動していた。私は一人であってもドイツ滞在中にしたかったことがいくつかあったのだ。

この報告書は、私が一人であってもドイツ滞在中にしたかったことの一部と、その成果をまとめたものである。

一つ目は「ドイツ語本を買うこと」だ。さらに言うと、「自分が好きなジャンルの本を買うこと」だ。
結果からいうと、残念ながら大本命のジャンルの本は一冊も見つからなかった。アマゾンやAbe Booksで調べて買ったほうが良かったと思ってしまった。しかし良さそうな本がいくらかは見つかった。なにより大きな成果と言えば、私が好きな小説『西部戦線異状なし』のドイツ語版を買えたことだ。ギリギリまで本屋巡りをして良かったと思った。
さらに、古本屋で買ったある一冊の本も面白い成果となった。本の間にそれと関連しそうな新聞の記事が挟まっており、元持ち主のメモ書きも見つけた。時間があるときに読みきろうと思う。

ドイツで買った本
二つ目は「マンハイムのとある軍事博物館に行くこと」だ。
その博物館は月の第一と第三日曜日の午後しか開いてない。第一日曜日は海外実習の初日だったので当然行けるはずもなく、チャンスは第三日曜日しかなかった。この日のためにICEのチケットを購入し、一人初めてのICEの旅を経験した。ICEからトラムに乗り換え、住宅街を歩き、ようやく目的地にたどり着いた。その博物館はおもに第一次世界大戦から現在のドイツ連邦軍の軍装を展示していた。
結論から言うと、私は総合的にこの博物館に満足している。連邦海軍の展示物はあったのに、第二次世界大戦下の海軍のものが無かったことは不満だったが、本物の戦車兵の黒い軍服と空軍(おそらく将校)の軍服を見られたことで不満が帳消しされた。
また、第二次世界大戦下の鉄十字章も展示されていた。簡単に貰えない勲章なのに意外と物理的にペラペラだったのが驚きだった。
今回は一人でじっくりと展示物を観察したかったのでガイドを頼まなかったが、もし再びあの博物館を訪れるなら、そのときはガイドを頼もうと思う。
マンハイムのあの博物館の入り口

三つ目、これは結論から言うと、成果が出なかった。そしてあのときの行動を激しく後悔した苦い思い出がある。それは「ショカコーラを現地で買うこと」だ。
ショカコーラとはカフェイン入りのチョコレートである。第二次世界大戦の中、ドイツ軍の戦闘糧食として採用された歴史があると言われている。日本では輸入食料品店で買えるが、値段は高い。私は現地でそのチョコレートが売っているところを最初のサービスエリアで見かけた。値段は当然日本で買うより安かった。しかし私は「サービスエリアで売っているならフライブルクの店でも売っているだろう」と思ってそこで買わなかった。これが大きな過ちだった。いざスーパーに行ってみると、そのチョコレートは無かった。このとき私は「スーパーで売ってなくてもサービスエリアで買えるだろう」と、どこか楽観的だった。しかし、帰りのサービスエリアにも空港にもそれが売っていなかった。私はようやく事の重大さに気付き、激しく後悔した。「あのとき買っておけば良かった」と。
海外実習の仲間には「心置きなくドイツを満喫できた」と強気なことを言ってしまったが、本心ではあのサービスエリアでの行動に後悔していた。

私は実習のほとんどの時間を一人で過ごしたこと自体には後悔していない。
一人レストランで食事をしたことや、一人アンティークショップで買い物をしたことで貴重な体験もできた。そのほかにもたくさんの良い経験を得た。
そんな私がもし後輩に海外実習のアドバイスをするとしたらこのように伝えるだろう。
「実習では一人で行動するのも案外悪くはない。だがやりたいことは早めに済ませることも忘れずに。」

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