【外国語学部】「ドイツ語海外実習を振り返って」戸田 瑠菜さん
2024.05.24

私はフライブルク大学で約4週間の海外実習に参加した。
短い期間ではあったが、非常に刺激的な経験になった。実際に現地で生活をする中で、授業で学ぶドイツ語と日常で使うドイツ語の差を感じた。授業で先生は私が知っている単語だけでドイツ語を話してくれる。また常に教科書にテキストが載っている。だが実際に現地の人と会話をするときは、もちろん知らない単語も出てくるし、テキストも無い。海外実習を通じて、今後は知識としてドイツ語を学ぶだけでなく、実際にドイツ語を使えるようになりたいと強く思った。
私のクラスは日本人がほとんどであった。京都産業大学のプログラム上、事前に受けるクラス分けテストの最低水準はA1クラスと決められている。そのため、ドイツ語のレベルがA1以下の学生は全員A1クラスに配属される。その影響もあり、A1クラスには日本人が多く、A1以下のクラスには日本人が少ない印象だった。
授業はネイティブの先生による文法や会話の練習であった。これらの授業は京都産業大学で履修しているネイティブの先生による授業とよく似ており、普段から留学のような体験ができていたのだとあらためて気付いた。

平日は授業終わりにフライブルクの街を散策した。フライブルクは毎日散策しても飽きない魅力的な街だった。自然も多くあった。街を見渡せる丘があり、そこから見るフライブルクの大聖堂は、真下から見るのとは違った魅力があった。ドイツ人がよく散歩や、ハイキングをすることにも納得した。
寮からは少し遠いがSchauinslandという山にも行った。そこで、長さ3600mのドイツで最長のケーブルカーに乗り、標高1284mの高さからフライブルクの街を見渡した。頂上付近には雪が積もっており、いつも生活しているフライブルクとは全く違う世界が広がっていた。3月のフライブルクでの海外実習で雪が見られるとは思っていなかったため、これは大きなサプライズだった。
まずはハイデルベルクに行った。ハイデルベルクは観光客も多くフライブルクとは違った印象だった。ハイデルベルクではレストランでシュニッツェルというドイツ料理を食べた。そのお店では他のお客さんと相席になった。最初は相席ならやめておこうかと思ったが、そのお客さんはとてもフレンドリーに話しかけてくれたため、相席でも食事を楽しむ事ができた。また店員さんもとても楽しい人で、料理を食べている時に“Schmeckt gut?”とよく聞いてくれた。そして、そこの店員さんはお客さんが帰る時に“Bis morgen!”と言っているのが面白かった。
大きなシュニッツェルが2枚とクリームソースとジャガイモという一人前とは思えない量だったが、とても美味しかったので完食する事ができた。


海外実習では授業での勉強だけでなく、現地での文化体験を通じてドイツ語に触れる事ができた。その中で実感したことは、現地の人が話すドイツ語は授業中に先生が話すゆっくりでわかりやすいドイツ語とは全く違うということだ。知っているはずの単語も聞き取れない事がよくあった。その度に挫折しそうになったが、自分の知っている単語を使いなんとか意思表示しようとすると、ドイツ人は皆私の言いたいことを理解しようとしてくれる。
ドイツで約4週間過ごして、一番私が感じたことは人の温かみである。ドイツに行く前はドイツ人は冷たいという印象があった。だが、ドイツに行ってから私が出会った人は全員とても優しかった。
今後は自分の言いたいことを伝えるだけでなく、相手の話を理解できるようになりたい。現地の人と会話ができるようなドイツ語を身につけることを目標に帰国後も勉学に励む。