【外国語学部】ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻生のロシア語圏 カザフスタン旅行記

2024.03.18

外国語学部 ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻の学生が、昨年11月のアビライ・カーン記念カザフ国際関係外国語大学とのオンライン授業をきっかけに、カザフスタンを訪れました。その旅行記を紹介します。

ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻 4年次 古田千弥(ふるたゆきね)さん

今年の2月、カザフスタンのアルマトイを旅行で訪れました。コロナ禍とウクライナ情勢の関係で残念ながら留学などに行くことができなかったので、私にとってはこれが初めてのロシア語圏への旅行でした。日本からの直行便は無いため、韓国経由で行きました。

カザフスタンは、ロシアの南西にある中央アジアの国です。公用語はカザフ語とロシア語で、看板などの表記もほとんどが2カ国語でした。私はカザフ語があいさつ程度しかわからないので、ロシア語で話していました。カザフ語はロシア語と似た文字が使われているのですが、一部ロシア語にはない独特のものもあっておもしろいです。今回私が訪れたアルマトイは、2002年までカザフスタンの首都だった都市で、現在でも国内最大の都市と言われています。

ゼンコフ教会:外観は可愛らしいですが内装は豪華でした。お祈りに来ているのはロシア系の顔立ちの方が多い印象でした。

現地ではInstagramを通じて知り合った、アビライ・カーン記念カザフ国際関係外国語大学で日本語を専攻している学生のアルジャンさんたちに案内していただきました。初日は軽く街を歩き、お土産屋さんに連れて行ってもらいました。カザフスタンでは銀行アプリやカードでの決済が主流で、現金はあまり扱われていないようでした。私はカザフスタンでの買い物は、全てクレジットカードで決済しました。
カザフ人は日本人の顔立ちと近いこともあり、店主のおばあさんにカザフ人だと思われ、カザフ語で話しかけられました。「うちの孫に似ているので、カザフ人だと思った」そうです。その後も何度かカザフ人に間違えられました。反対に日本でカザフ人とすれ違ってもわからないだろうと思うほど、カザフ人と日本人は似ています。

次にゼンコフ教会を訪れました。ゼンコフ教会はロシア正教会の教会です。外装は丸屋根とカラフルなタイルで可愛らしいですが、内装はさまざまなイコンが描かれており豪華でした。

ジュベク・ジョリ駅構内 : 駅の構内はシルクロードにちなんだ装飾がなされていました。シルクロードの通っている各国の都市の建物が描かれていると教えてもらいました。
教会の近くのジュベク・ジョリ駅から地下鉄で、ドストゥクプラザという大型ショッピングモールに行きました。アルマトイの地下鉄は路線が一つしかなく、バスの方が使われている印象がありました。地下鉄は入場の際に毎回荷物のX線検査やゲートでの身体検査をしなければいけなかったので少し面倒でしたが、クレジットカードで乗車でき、さらに約35円という安さでした。バスはクレジットカード、現金決済が不可なので観光客は地下鉄を使うのが良いかもしれません。
ジュベク・ジョリ駅の「ジュベク・ジョリ」はカザフ語でシルクロードを意味するそうで、駅構内の装飾もそれにちなんだものになっていました。
目的地のドストゥクプラザはアパレルショップ、書店、ゲームセンター、スーパーなど多くのお店が入っており、日本のショッピングモールと同じような感じでした。書店にはロシア語、カザフ語に翻訳された日本の小説や漫画がたくさん売られていました。日本のアニメや漫画のキャラクターが描かれたノートも売られており、日本文化の人気の高さが伺えました。私は表紙の絵が可愛いと思い、気に入った絵本と、トートバッグを買いました。
ラグマン : 中央アジアの料理です。イメージとしては「焼きうどん」に近いかもしれません。お昼に食べましたが、量が多くこってりした味付けだったので夜までもちました。
2日目の午前中は一人で観光しました。ドストゥクプラザとは別のショッピングモールがホテルの近くにあったのでそこでお土産を買い、モール内のレストランでお昼を食べました。
レストランではラグマンという中央アジアの料理を食べました。コシが強くて細めのうどんのような麺に塩胡椒などで濃い目の味付けをした牛肉やピーマン、きのこなどの具が乗っていました。噛むごとに具の味がうどんに染みて非常に美味しかったです。カザフスタンは乾燥しているので、こってりとした料理が多いそうです。パスタのようにフォークを使って巻いて食べていましたが、パスタほど麺が細くないので巻くのに苦戦していたところ、見かねた店員さんが割り箸を持ってきてくださり、有難かったです。
ユルタ : カザフスタン国立中央博物館に展示されていたユルタです。ひとつのユルタに寝るところ、食べるところ、棚などもあり外観より広いです。
その後アルジャンさんと待ち合わせ、カザフスタン国立中央博物館に行きました。カザフスタンで発掘された、昔使われていた道具や遺跡の一部などがカザフスタンの歴史とともに展示紹介されていました。
カザフスタンは遊牧民族の国です。ユルタという移動式の家や、衣服も展示されていました。中国、ウズベキスタンなどシルクロードの他の国の衣服と比較した展示コーナーがあり、どの国のものも似ていましたがそれぞれの国で少しずつ違いがあることがわかって面白かったです。
ラクダ肉のクイルダク : ラクダ肉の煮込み料理クイルダクです。日本ではあまりメジャーではありませんが、カザフスタンではラクダ肉や馬肉がよく食べられるそうです。

夜はカザフ外大のカリナさん、ジャンサヤさんとカザフスタン料理のレストランで食事をし、バウルサクという揚げパンとクイルダクという肉料理をいただきました。バウルサクは少し塩味を感じる揚げパンで、飽きが来ず手が止まりませんでした。クイルダクは煮込み料理のことを指すようで、メニューには馬肉かラクダ肉と書かれていました。私はラクダのクイルダクを選びました。ジャガイモとラクダ肉が大きめにカットされていて、スライスした玉ねぎが乗せてありました。ラクダ肉を食べるのは初めてだったのですが柔らかく味も染みていてとても美味しかったです。脂が多めに乗った豚肉のような味が、ほくほくのジャガイモと合いました。

カリナさんとジャンサヤさんは日本語を専攻されています。メニューに載っていた他のカザフスタン料理の説明などもしてくださいました。他にも趣味やカザフスタンでのメジャーなお菓子、日本のドラマについてなどたくさん話をして、カザフ語の音楽バンドなども紹介していただきました。

最終日は大雪が降りとても寒かったです。午前中はチェックアウト後にホテルに荷物を預け、ホテル周辺を散歩しました。ホテルの荷物預かり係の方とお話しすると、日本から来たことに驚かれ、夏のアルマトイも綺麗だから次は夏にも旅行においでと勧められました。夏は山の景色が綺麗だそうです。2日目と同様に午後からアルジャンさんと待ち合わせすることになっていましたが、時間があったので待ち合わせ場所の近くにあるカフェで時間を潰そうと思っていたところ、店員さんたちに話しかけられ、アルマトイのお勧めの観光地を教えていただきました。「残念ながら今夜帰国する」と伝えると、「次に旅行に来た時に案内するから」と言っていただき、連絡先を交換しました。また、日本にも興味があるとおっしゃっていたので京都をお勧めしました。

アルジャンさんと合流してカフェでお茶をした後、カザフスタンの有名なチョコレート「ラハット」の店舗に行きました。ラハットは韓国の「ロッテ」の傘下ということもあり、日本でも売られているお菓子もロシア語表記で売られていました。ラハットのチョコレートは包み紙の柄が可愛らしいものが多く、お土産にぴったりだと思います。ちなみにカザフスタンの国旗柄の包み紙のものが一番美味しく人気があるそうです。その後、アルジャンさんにホテルまで送ってもらい、荷物を受け取り空港に行きました。

「ラハット」に向かう道中の景色です。除雪されていないところもあったので滑らないようにゆっくり歩きました。積雪は多かったですが道路では車も多く走っていたので驚きました。
今回が初めての海外旅行でさらにひとりだったので不安はありましたが、カザフスタンの皆さんに親切にしていただいたので、とても楽しい旅になりました。カザフスタンは、ロシアと中央アジアの文化が合わさった独特な雰囲気がありました。カザフスタン人はほとんどの方がロシア語も話すそうで、ロシア語の勉強にもなります。ロシアだけでなく中央アジアの雰囲気にも触れたいという方はぜひカザフスタン、アルマトイに行ってみてください。
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