【文化学部】ClaSP!:「卒業生インタビュー#3」

2024.02.21

文化学部では学生広報ClaSP!のメンバーが中心となり、卒業生インタビューを実施しています。今回は2014年に国際文化学科を卒業された稲垣佑季さんにインタビューを行いました。稲垣さんは在学時に江尻准教授と倉科教授のゼミで学び、卒業後は自動車部品メーカーに就職しインドネシアでの勤務をご経験、現在はコンサルタントとして起業されています。

(ClsSP!メンバー文化学部3年次 道野 愛結・吉田 凪沙)

①大学時代の文化学部での学びについて教えてください

海外の文化や英語を学びたいと中学生の頃から思っていて、大学の授業もそういった内容を重視して選びました。また、教職課程も取りました。
アメリカ文化の江尻准教授のゼミに所属しましたが、イタリア文化の倉科教授のゼミにも参加して、卒業レポートは二つ書きました。前者では、イタリアの建築家がアメリカに建てた建築物について研究しました。大学の図書館データベースでアメリカの雑誌の情報なども取り寄せることができました。後者では、イタリア南部の民間宗教を扱いましたが、資料が中々見つからず、イタリア語文献も原著で読んだり苦労しました。
在学中は様々な国へ留学をしました。まず、オーストラリアに京都産業大学のプログラムで1カ月、カナダに庭園整備のボランティアで1カ月、イタリアでは語学学校に6週間通いました。

②仕事のやりがいや苦労したことについて教えてください

卒業後は自動車部品メーカーに就職し、インドネシアで勤務しました。就職活動を行っていた当初、イタリアで働きたく現地に支社がある企業を探しました。しかし、就職先のイタリア支社に内定が決まった年に支社が閉鎖してしまいました。それでも海外駐在を希望したところ、インドネシアに配属されました。
1年目は輸出や国内の物流に関する業務、2年目以降は経理財務や会計を担当しました。国内勤務時は資金繰りに関わりました。インドネシア駐在時には、マネージャー職にも就きました。管理職として全責任を負うのでプレッシャーもありましたが、裁量が大きい分、やりがいも大きかったです。
インドネシア語はほぼ独学で、現地で習得しました。Google翻訳で英語からインドネシア語へ翻訳したり、実際に使われている表現を聞いて体験しながら覚えました。例えば、explain(説明する)はインドネシア語では「menjelaskan(ムンジュラスカン)」ですが、本当に言うのかと思い現地の人の会話を聞いていると確かに使っていていました。また、職場に週に一回語学の先生が来てくれていましたので、そこでも学びました。
仕事以外で困ったのは、現地に知り合いがいなかったことです。インドネシアは日本人コミュニティも多く、そこで同世代の友達を作りました。生活面では、水の質が悪くて赴任3日目でお腹を壊しました。
ちょうどコロナ禍で最初はマスクもつけていませんでしたが、しばらくしてそこからマスク着用が義務付けられ、国内移動にもワクチン接種証明や陰性証明が必要になりました。
インドネシアで仕事や生活をしていた時は、文化学部でいろんな文化を学んでいたことが非常に力になりました。インドネシアはイスラム教徒が多く習慣が違いますが、心理的抵抗を感じませんでした。インドネシア人はおおらかで、就業中にピザやドーナツをデリバリーして食べはじめたり、驚くことも多少ありましたが、おおらかな国民性に触れることで徐々にこちらも寛容になりました。もちろん、文化学部で英語を集中的に学んだことも、大いに役に立ちました。

③起業されたきっかけを教えてください

上司からは現地に5、6年は居てほしいと言われました。ただ、他の国に行ってまた同じ仕事をすることに、疑問を感じるようになり会社を退職しました。
退職後は、WEBデザインや営業代行などを経て今のコンサルティング業を起業しました。今は海外とのつながりはありませんが、パソコンがあればどこでも働けるので、現地採用で働きながら副業で今の仕事をしたいと考えています。会社員時代に学んだ経理以外にも他の職業に応用できる知識とスキルが身についたのも、独立してよかったことだと思います。

④在学生へのアドバイス・メッセージをお願いします

文化学部では、自分の学びたいことを積極的に学べば良いと思いますよ。また、海外はぜひ行った方がいいです。学べることも多く、社会人になってからはなかなか長期間の時間をとることが難しいので、大学生のうちに行くべきです。

—終わりに
今回は、卒業後に海外で活躍されてきた稲垣さんのインタビューをお伝えしました。文化学部の学びが海外で働く際にも大いに役立つということ、また海外経験を踏まえたうえで稲垣さんがご自身のキャリアを模索し、そして切り拓いていかれたことに強い印象を受けました。
ご協力いただいた稲垣さん、お忙しいところ本当にありがとうございました!

独立後のお仕事の様子
インドネシア子会社の植樹祭
インドネシア駐在時の様子
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