【外国語学部】ドイツのアウクスブルク大学で学んでいるドイツ語専攻の卒業生から、体験記が届きました

2023.06.13

学生仲間とのピクニック

2023年3月に外国語学部ヨーロッパ言語学科ドイツ語専攻を卒業した藤本 祥恭です。
私は、2021年4月からオーストリアで約4カ月間の留学を経て、その後はドイツのマインツに渡り、現在バイエルン州のアウクスブルク大学で、「外国語としてのドイツ語 Deutsch als Zweit- und Fremdsprache」 と 「学校教育学 Schulpädagogik」を正規の学生として学んでいます。

そんな私ですが、ドイツ語専攻を卒業した後、なぜドイツへ渡航しようと思ったのでしょうか?

ただ皆さんもご存じの通り、僕が卒業した2020年の3月は新型コロナウイルスが世界に広まった時期で、予定していた渡航は1年後になりました。

Rathausplatz アウクスブルク市庁舎前

ドイツに無事入国してからは、ドイツのフランクフルトを拠点に活動するスポーツ業界の日系企業で、約1年間働かせていただきました。

そこでの1年を経て、再びドイツの大学に入学することを決断した大きな理由は、今までオーストリアや京都産業大学時代のドイツ留学を含めて様々な国々から集まる沢山の外国人の方と時間を共有してきて、ドイツ語を使うことが人生の中で大事なことになったことにあります。ドイツやオーストリアで過ごす中、日本ではあまり意識しない移民問題や欧州で起きている時事問題などにも目が向くようになりました。

そのように変わったのも、僕自身の考えでは、やはり語学の成長があってのことだと思います。また相手が話した内容が分かるようになるにつれて、当然ながら今までは不透明だったドイツ人の友達の新たな一面や、現地の人と現地ならではの交流もできるようになりました。そして京都産業大学で初めて聞いたドイツ人の真面目で勤勉なイメージも少し変わりました。

アウクスブルク大学のキャンパス風景

だからこそ、いつの日かまた日本に帰って来たときに私自身がドイツで苦労したことや良かったことも含めて、少しでもドイツ語圏の国・言語に興味を持ってくれるように先生として教えられたらと思い、再びドイツの大学で学ぶことを決断しました。

ただ実際に大学に入学するまでは、日本で勉強した時とは比べようがないくらい、ドイツ語の習得に時間を費やしました。特に今回のドイツへの挑戦では、京都産業大学に在学してきた時の留学とは違い、現地のドイツ人学生や海外留学生とも同じ立場で闘っていかなければならないので、まだ4月に入学してからあまり時間が経っていませんが、毎日プレッシャーを感じながら過ごしています。

これからドイツ語圏への長期留学を考えている人には、私の大学での授業プランがすべて当てはまらないかもしれませんが、ドイツの大学では、日本のように講義とセミナーだけがあるわけではなく、大抵の講義に Tutorium(上級生の人が講師として復習をしてくれる)とÜbung (学生だけで講義で扱った内容をさらに深める演習)が付随してきます。

Mensa 学食

今までの授業で扱った内容を一つ紹介しましょう。ドイツは、アメリカ合衆国と肩を並べるほどの多国籍社会であることから、ドイツ人の52%は、両親またはその前の世代がドイツに移住した背景を持ちます。そのことに対して、より深く掘り下げていきました。日本の大学との大きな違いを挙げるとすれば、学生も積極的に参加した形の授業スタイルであることです。一つの授業から出される課題の量も、日本とは比べ物にならないくらい多く、大変だなと感じます。その為、次の週の授業までにおよそ30ページの資料を読み、準備していくことも日常茶飯事です。

このように、私の海外での生活は、8割が苦労で2割が喜びかなと思っています。それでもその苦労を乗り越えると、「とてもタフになった」と充実感に満ち溢れるので、頑張れているのかなと思います。

Schulpädagogik(学校教育学)の講義の様子

最後に、ドイツ語専攻への進学を考えている方・ドイツへの留学を検討している方に一つ言葉を送るとするなら、とりあえず大学生活の時間を使ってドイツ語圏の国や海外の国々へと足を運んでみたり、海外に限らず日本各地に足を運び、自分の体で色々と経験してみて欲しいです。

大学生活は、ご存知の通り4年間という長い期間です。私も入学した頃は、失礼ながら特にドイツ語圏やドイツという国に対して特別な興味があるわけではなかったですし、どこにあるのかも知りませんでした。

しかし1年次生の春休みに渡航したフライブルクという街での海外実習にて、世界でも屈指の移民国家であるドイツには、多様な文化・価値観を持った人々が同じ青空の下で生活していることを実感し、異なる文化に刺激を受けました。また勉強して覚えてきた単語・文などが相手へ伝わった時の喜びが、今でも一つのモチベーションに繋がっています。

そう思うと当時は何とも思っていなかったドイツに住み、ドイツの大学へ通っているのがとても不思議に思います。だからこそ、旅行でも留学でも理由がなくても、ドイツ語圏の国ないしは、日本各地を訪ねて、自分がまだ見なかった世界や様々な人々に出会い、何か熱くなれる事を見つけて欲しいなと思います。それが決してドイツでなくてもいいと思います。

皆さんのご活躍をお祈りしています。
アウクスブルク旧市街
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