【外国語学部】〈留学レポート〉私を成長させてくれた10カ月の「挑戦」(植田 彩花 さん)

2023.04.12

外国語学部ヨーロッパ言語学科イタリア語専攻 4年次 植田 彩花 さん

ペルージャ

私は3年次生の春から約10カ月間イタリアのペルージャ外国人大学に留学していました。ペルージャは小さな街ですが外国人大学があるため留学生も多く、ウンブリア・ジャズフェスティバルやユーロ・チョコレートといった国際的なイベントが行われる活気ある街です。

留学生活は楽しいことばかりではなく、辛いことや苦しいこともたくさんありました。それでも、苦手な事や未経験の事に「挑戦」する日々を過ごし、私の人生において、とても意味のある10カ月となりました。また、一人で成し遂げることが出来た留学ではないので、協力してくださった沢山の人に感謝する10カ月でもありました。

ペルージャ
私はこの留学の「むすびわざテーマ」(イタリア語専攻独自の留学中の取り組み)として「イタリアの食文化と農業」を設定していました。その理由は、イタリアの食文化と、イタリアに限らず「農業」に興味があったからです。大学に入学してからイタリアの食文化を多く学びましたが、イタリア留学をするのであれば知識としてだけでなく、経験としてイタリアの食文化を知ることが出来ると考え、その経験をレポートしたいと思いました。また農業に関しては、留学先で何か特別な体験をしたいと考えた際に、イタリアの農家を訪れたいという結論に至ったので、食文化と併せてテーマにすることを決めました。
留学中は「むすびわざテーマ」に沿って、ペルージャの伝統料理を調べたり、イタリアの祝日に食べられる食べ物を買ってみたり、マーケットに行ったり、レストランでフルコースを食べたりと沢山の体験をしました。その中でも特に印象的な体験が、フィレンツェの観光ガイドの方を通じて、イタリアの農家を訪れることが2度も出来たことです。
1度目はファットリア・ディ・マイアーノというオリーブ農園を訪れ、オリーブ畑を見学した後、生産の工程を見せていただき、その工場で作られているオリーブオイルを3種類試飲しました。レストランや宿泊施設も備わっている、イタリアの中でも有名で大きな農園でした。イタリア料理に欠かすことのできないオリーブオイルという調味料の生産過程を見ることが出来た貴重な体験でした。2度目は栗の生産が盛んな地域を訪れ、栗の種類から生産の工程、人々の生活の様子などのお話を聞きました。特に栗を使ったパスタやスープ、デザートなどをイタリア人の方と一緒に作って食べるという体験が深く印象に残っています。
オリーブ農園
オリーブオイルの試飲
栗の粉を使ったパスタ
栗の種類について
チンクエテッレ

このように留学に行く前に決めた「むすびわざテーマ」を意識し、満足のいく留学になるよう行動しました。このような行動をとることが出来たのは、留学に行く前に挑戦したいことや興味のある事についてしっかり考えていたからだと思います。10カ月という期間は長いようで短いので、目標や目的をきちんと決めておくことが大事だと感じました。

その他の出来事として、一人旅や外国の方との交流も思い出に残っています。建物も雰囲気も日本とは異なる土地での一人旅は不安でしたが、挑戦してみると楽しいことが多く、留学前に訪れたいと考えていたアルベロベッロやヴェネツィアのブラーノ島、チンクエテッレ、アマルフィといった土地への旅行が達成できました。これら以外の有名なイタリアの観光地やイタリアを訪れるまで知らなかった土地など、私が興味を持った土地全てに旅行することが出来ました。
また、ペルージャは外国人の友達ができやすい環境で、たくさんの人と知り合うことが出来ました。イタリアの高校生に日本語を教える講義に参加し交流したことや、イタリアで出会った友人達とウンブリア・ジャズ(イタリア国内最大級のジャズの祭典)を一緒に回ったこと、毎週のようにご飯を一緒に食べたこと、年越しを一緒にしたことなど沢山の思い出があり、帰国の前は日本に帰ることが寂しいとさえ感じるようになっていました。留学してすぐのころは早く日本に帰りたいと思っていたので、自分の心境の変化に驚くとともに、留学を楽しめていたのだなと達成感を得ました。

アルベロベッロ
ヴェネツィア
友人の送別会
クラスメイトとアッシジへ
このレポートには私がこの留学で何をしたいかを考え、行動し、経験したことを書きました。何をしたいかは人それぞれですが、したいことや少しでも興味のあることが決まっていれば留学は楽しく学びの多いものになると思います。また、留学中苦しいことや大変なこともたくさんあると思いますが、それも全て自分の経験になると思えたら良いのではないかと考えます。
イタリアでの経験は、私が理想とする人間像である「困難な事にも自ら進んで取り組み、辛い中にも楽しみを見つけることが出来る人」に少しだけ近づけてくれたと考えています。初めは後悔していた留学という決断も、家族や周囲の人の協力を得ながら精一杯やりきった今では良かったと感じています。このような変化が私の中ではとても大きく重要なことで、苦手な事をやり遂げた自分に自信を持つことが出来ています。
これから先、社会人として生活していく中で想像もしていなかった大変な出来事に沢山遭遇すると思いますが、その度にイタリアで10カ月間多くのことに挑戦したという事実が私を支えてくれると確信しています。
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