【外国語学部】留学体験記が届きました(吉田 有希 さん ライプチヒ大学付属の語学学校 )

2023.03.23

外国語学部 ヨーロッパ言語学科 ドイツ語専攻 3年次 吉田 有希 さん

放課後に観戦に行ったチャンピオンズリーグ
私は2022年の9月末からドイツのライプチヒ大学付属の語学学校に4カ月間留学しました。そこでは、ドイツ語だけでなく文化や考え方など多くのことを学ぶことができました。大変だったことも、楽しかったことも、全て私の大切な経験となりました。
最初の数週間は慣れないことが多く、非常に大変でした。日本から、ドイツの首都ベルリンにあるブランデンブルク国際空港に到着後は、ICEやICと呼ばれるドイツ鉄道の高速電車、トラムなどを使い、ライプチヒまで行かなければいけませんでした。しかし、最初は券販機の使い方が分からなかったため、ネットで調べたり、説明のドイツ語を翻訳したり、どのチケットでどの時間の電車に乗るかなど、チケットを買うだけで多くの時間を費やしました。また、40キロ近くある大きくて重いキャリーケース2つを持って乗り換えをしなければいけず、段差を少し上がったりするのにも一苦労しました。
到着したその日からは、5日間ほど宿泊施設に泊まりました。早くドイツに慣れたかったため、その5日間はスーパーや公園に行ったり、散歩をしたり、トラムに乗って街の中心まで行ってみたり、毎日外に出て何かをすることを心掛けました。棚に並ぶ商品やその値段、店員さんの対応、公園の広さや落書きの多さ、緑の多さ、ボールで遊ぶ子供達、Pfand(デポジット)の制度、トラムの乗り方など、何もかもが新鮮で日本とは違うことが面白く、毎日ワクワクしていました。
私が滞在していた宿泊施設はホストがいるタイプのもので、鍵で玄関のドアを開ける必要がありました。しかし、鍵の使い方が難しく、いつも上手く開けられませんでした。そのため、玄関ドアの前で「私はユキです!すみません!ドアを開けてもらえませんか!!」と叫んで開けてもらうことも数回ありました。何をするにも人の手やコツが必要で、恥ずかしい思いもしましたが、その分強くなれたのではないかなと思っています。
その後は、友達が住んでいる南ドイツのパッサウというところに1週間ほど滞在させてもらいました。パッサウまではフリックスバスという高速バスで移動しました。初めて乗る高速バスで、しかも知らない地域に1人で行くことには少し不安がありました。しかし、途中のバスの乗り換えで、本屋さんや美味しいパン屋さんへ行っている間に、すぐに時間は経ちました。バスに乗る際に知り合った人や、公園で隣に座っていたおばあさん、同年代の人達も皆優しく教えてくれたり、話しかけてくれました。フランクに話しかけてくれるその感じが本当に嬉しく、楽しい時間でした。この経験から、私は自由気ままな一人旅の良さに気づき、日本国外でも一人旅が楽しめるなと思いました。その後、友だちとパッサウ観光をし、ミュンヘンのオクトーバーフェストにも行きました。念願のドイツビールとソーセージは大変美味しく、音楽と共に楽しく大騒ぎできる最高のお祭りでした。オクトーバーフェストには、移動遊園地があり、沢山のジェットコースターや高速移動のアトラクション、お化け屋敷などを楽しめました。「お酒か絶叫か」という、大人のための遊園地のようで新鮮で楽しかったです。
10月からは、ドイツ語の授業が始まりました。2カ月ごとに1つのレベルのコースを終わらせるペースで進みます。私は10月から1月末までA2からB1のコースを選択しました。語学学校のため、多くの国籍の人と交流する機会がありました。授業内では日本の文化や伝統、考え方について質問されることも多く、自国のことについて説明したり、自分の意見を伝えたりすることの難しさを実感しました。自分の意見を考える機会が多くあったことは新鮮でした。クラスメートの国の文化や考えに触れることができ、充実した授業時間でした。13時半に授業が終わるため、放課後は図書館で勉強をしたり、友だちとカフェに行ったり、サッカーの試合を見に行くこともできました。
ハレ(Halle)のクリスマスマーケット
12月中はドイツのどの場所でもクリスマスマーケット(Weinachtmarkt)が開かれます。私のドイツでの1番の思い出で、既に恋しいのがこのクリスマスマーケットです。私は5都市のクリスマスマーケットに行きました。どこのクリスマスマーケットも綺麗で可愛くて暖かさを感じることができました。多くのドイツ人も待ちわびているようでした。寒い中飲むホットワイン(Glühwein)やカリーブゥルスト(Currywurst)は心にしみました。
私の語学学校は12月23日から新年の2日まで休みでした。その間はスペインとポルトガルへ旅行に行きました。県外に行くくらいの感覚で国外を旅行できるヨーロッパに感動しました。
私はB1レベルのコースに受かることを目標としていたため、テスト前は図書館へ行って勉強をしたり、ルームメイトとスピーキングの練習をしたりしました。また、タンデムパートナー(2人1組のペアになり、それぞれの母国語や得意な言語を教え合うシステム)にドイツ語を教えてもらっていました。分からないときは、日本語で質問することもできたので沢山助けてもらいました。そのタンデムパートナーとは、私が住む寮のエントランスで偶然出会いました。少し話をしたときに、以前日本に留学していたことを知り、そこから友達になりました。日本語を勉強している友達と一緒に勉強をするのは楽しいし、お互いにコミュニケーションをとる必要がある環境にいたので、それが一番ドイツ語の勉強になったと思います。無事に、A2もB1も合格することが出来ました。
ドイツで困ったことや大変だったことは沢山ありますが、ここでは2つ挙げようと思います。
1つ目は60ユーロの罰金を取られたことです。ドイツでは改札が無い代わりに検札員が抜き打ちで見回りに来ます。体感としては月に2回程度夕方に確認されることが多かったです。朝、トラムで単語を確認しているときに検札員が前に現われました。私は期限が切れているとは思わずに堂々と見せたのですが、期限切れだからダメだと言われ、一緒に駅で降りました。それから、パスポートを見せ、住所を書き、紙にサインをした後、銀行の振込先が書かれている紙を渡されました。その日はプレテストがある日だったので走って間に合いましたが、全然集中出来ませんでした。
2つ目はビザの取得についてです。私は11月のはじめに必要書類を封筒に入れて外国人局に郵送したのですが、数週間経っても、一向に返事やメールが届きませんでした。すでに、ホテルや航空券の予約をしていたので、クリスマス前までに、どうしてもビザを手に入れる必要がありました。いつまでにビザが欲しいという旨のメールを送ったところ、顔写真をメールで送信するだけで意外にも早く手続きが進み、クリスマス前に無事ビザを取ることが出来ました。自治体によって異なるとは思いますが、ライプチヒで留学するのであれば、メールで全ての書類を送信し手続きを進めることをお勧めします。また、自分から動いて尋ねることをしないと、ドイツでは役所の仕事が遅いため、時間が凄くかかると思います。何でも受け身で待っているのではなく、とりあえず聞いてみて、積極的に動くことも必要だと感じました。
私はドイツで4カ月間の留学でしたが、ドイツ語だけで無くドイツの文化、他の国の文化、ヨーロッパの文化を感じ、学ぶことが出来ました。ここで学んだことや新しく出来た友達、そして思い出も全て私の大切な財産です。留学に行って本当に良かったです。
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