【文化学部】ClaSP!:「卒業生インタビュー#1」

2023.12.25

文化学部では学生広報ClaSP!のメンバーが中心となり、卒業生インタビューを実施しています。今回は2023年に京都文化学科を卒業された武内翠さんにインタビューを行いました。武内さんは在学時に成田智恵子ゼミで伝統工芸や伝統意匠を学び、現在は株式会社京都産業振興センターで働かれています。

(ClaSP!メンバー 文化学部3年次 松本 哲汰・村田 秀寿)

インタビューの様子
株式会社京都産業振興センターが運営する京都市勧業館「みやこめっせ」
①大学時代の文化学部での学びについて教えてください
2019年に入学して「京都文化学科とはなに?」から始まったのですが、もともと芸術系の分野が好きでしたので、最初はディエゴ ペレッキア先生の「能楽」とエマニュエル マレス先生の「庭園」の「京都文化フィールド演習」を受講しました。先生が面白そうだったのであえて飛び込んでみた結果、庭園と能楽、そして工芸にはまっていくきっかけとなりました。
また1年次に、京都市の「京もの担い手育成事業」インターンシッププログラムに参加したことがきっかけで、職人さんや工芸、伝統産業と距離が近くなり、気づけばはまって4年間勉強し続けました。
武内さんの学生時代の活動を示す資料や制作物
※「京都文化フィールド演習」
京都文化学科の1年次生全員が履修する科目。能楽、庭園いがいにも、「祇園祭」「民俗学」「観光」とさまざまなテーマを準備しています。
②アルバイトも含め、課外活動が今に活かされた経験等はありますか
課外活動は上記のインターンシッププログラムの経験が大きいと思います。色々な工芸に興味が湧いたり、自分が見つけた多くの魅力や好きなものを、自分の言葉に置き換えて理解した上で説明する等伝える力がついたかなと思います。
アルバイトはカフェとお寺でしていました。京都には多くのカフェがあり、京都の文化を象徴する一つになりつつあります。観光で来られた方に京都の魅力を少しでも伝えることができたのは良い経験でした。4年間続けたお寺のアルバイトでは、京都文化によりどっぷりと浸かることができ、「お寺で働いていたんですよ」ということを切り口に文化の話へ繋げていけるので、こちらも良い経験でした。

③現在の職業に就くまでの経緯や、文化学部での学びと現在のキャリアの繋がりについて教えてください
私の就職経緯は特例的なありがたい話ですので、参考になるのかどうかは分からないのですが、こちらで働くことが決まったのは去年の10月頃です。それまではこちらの地下にある京都伝統産業ミュージアムのショップでアルバイトやイベントのスタッフをさせていただいていました。その中で「伝統工芸が好き」ということをずっと言い続けていたら、アルバイトの内容とは違いますが、それと近い分野で働く機会をいただけることになり、こちらに就職が決まりました。
それ以前にも経緯は色々あったのですが、元々は別の会社が第一志望で、そちらの会社からはエントリーシートの代わりに自分のクリエイティブ力が試されるような課題が課されていました。他にも京都の和菓子屋さんなども受けましたが、私はやはり伝統工芸が好きで、それを広めるような活動を希望していました。
京都伝統産業ミュージアムの館内

④現在の仕事のやりがいや仕事上苦労していることなどはありますか
苦労していることは、ギャップが大きいというか、アルバイトをしていたからすぐに働けるようになるわけでないということをとても感じています。真っ新な状態から始まったため、インプットしていくのがとても難しくて大変だと思いながら半年が経ちました。
やりがいに関して、私はギャラリーや会議室の担当をしているため、下見で会場を回ったり、ギャラリーの展示会などに参加されているお客様とも実際にお話しをしたりもします。お客様とのお話を通じて、「自分もこういう風になりたい」とか「今後このように仕事をしていきたい」と思うためのモチベーションになるところにやりがいを感じます。でも、まだまだ業務などを覚えている途中ですので、しっかりとお話しができるやりがいみたいなものを作っている段階ですね。

⑤在学生へのアドバイスやメッセージ(京都文化を学ぶ意義・今後の課題)等がありましたらお願いします
今は、伝統的な文化との距離がある人、興味が薄れている人が増えているような感じがしますが、その中でも若い世代が「知らなかったけど面白いな」と思ってもらえるための発信力を文化学部で身につけました。伝統的な文化に親しみを持ってもらうための方法を考えた結果が、自分の好きなもののファンが増えたら嬉しいなという思いをパンフレットやチラシ作成でアウトプットしていくことでした。
また、職人さんたちが「作る・広める・売る」の全てを担う状況で、本業の「作る」以外を手伝ってくれる人がいたら嬉しいということで「京もの担い手育成事業」が実施されていたため、微力ながらも自分の得意なことや好きなことを生かして、発展に寄与できたらいいかなと。そういう面でも京都文化学科生のみなさんには京都文化自体を好きになって広めてもらえると嬉しいと思います。

—終わりに
以上、武内さんへのインタビュー内容について、お伝えしてきました。私たち自身、インタビューをしていくなかで得られた学びは多く、新たな発見の連続でした。文化学部での学びの可能性にまだ気付いていない在学生、もしくはそもそも文化学部があることすら知らなかったという方にも、この記事を通して文化学部での学びの楽しさが伝われば幸いです。
ご協力いただいた武内さん、お忙しいところ本当にありがとうございました。

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