【文化学部】大和の歴史と文化に想いを寄せて-奈良古来の醤油蔵の取り組みを学ぼう-
2023.10.20
地域に根付く食文化は、どのような体験価値を創造し、またそれはどのような地域の方々の思いに支えられているのでしょうか。文化学部京都文化学科 中野 宏幸教授の「観光文化基礎演習B(2年次生)」では、10月8日、奈良県田原本町のマルト醤油を訪問し、醤油文化や交流の取り組みを学ぶフィールドワークを行いました。
18代目当主で本学卒業生の木村 浩幸氏から、1689年創業の醤油醸造と伝統文化を発展させる取り組み、戦後の閉業から70年を経て地域の協力のもとに再興した現在の姿、世界への発信やつながりについて、お話を伺いました。
18代目当主で本学卒業生の木村 浩幸氏から、1689年創業の醤油醸造と伝統文化を発展させる取り組み、戦後の閉業から70年を経て地域の協力のもとに再興した現在の姿、世界への発信やつながりについて、お話を伺いました。

マルト醤油の基本コンセプトは、「醤油蔵と旅人を育む、新たな居場所」です。地元で栽培される大豆と小麦を使用し、伝統の天然醸造製法で醤油醸造を行っています。「大和棟」と呼ばれる伝統建築様式の醤油蔵では、非日常を楽しむ空間として、食事とともに宿泊もできるようになっています。醤油蔵でおもてなしされるのは、地元の方々です。人と出会いと交流を大切にしつつ、地域資源を活用した面的な活動にも考えを拡げ、世界に発信しています。2022年12月に奈良で開催された国連世界観光機関等主催のガストロノミーツーリズム国際フォーラムのエクスカーションでは、アメリカやインドネシアなどの参加者にこの醤油蔵で醤油と季節の野菜を基調とした昼食が提供され、醤油のバリエーションの多さと微妙な味わいの違いに驚きが示されました。木村氏からは、地域全体でのおもてなしに向けた熱い思いとともに、京都産業大学の先輩として、大学での学びへのアドバイスをいただき、学生との意見交換を行いました。




古来の田畑の原風景の残る田原本には、弥生時代の環濠集落である国史跡唐古・鍵などの遺跡が残っています。道の駅「レスティ唐古・鍵」では、田原町本役場コーディネーターの林氏より、体験コンテンツ創出や商品化に向けた有志メンバーによるワークチームの取り組みなどについて説明をいただきました。
学生からは、「ただ泊まるだけではなく、その地域を感じ、歴史を学んでもらうためにも、なるべくそのままの姿でリノベーションを行なったというお話がとても印象に残った」「地域のことを知ってもらえるような取り組みを実施したり、宿泊した人が地域と繋がるきっかけ作りをするなど木村さんの地域に対する情熱が伝わってきた」「地域の神社や2000年変わらない景色の説明もされており、醤油作りに関わる説明・体験・食事の流れで、顧客の理解を深めてもらう方法が興味深かった」という声が聞かれました。地域の方とのふれあいの中で、地域とともに発展するコンセプトを創造してもらいたいと思います。
学生からは、「ただ泊まるだけではなく、その地域を感じ、歴史を学んでもらうためにも、なるべくそのままの姿でリノベーションを行なったというお話がとても印象に残った」「地域のことを知ってもらえるような取り組みを実施したり、宿泊した人が地域と繋がるきっかけ作りをするなど木村さんの地域に対する情熱が伝わってきた」「地域の神社や2000年変わらない景色の説明もされており、醤油作りに関わる説明・体験・食事の流れで、顧客の理解を深めてもらう方法が興味深かった」という声が聞かれました。地域の方とのふれあいの中で、地域とともに発展するコンセプトを創造してもらいたいと思います。