【文化学部】ポストコロナに向けたグローバルな観光の動きを学ぼう!! UNWTO(国連世界観光機関)駐日事務所とのワークショップを実施

2023.05.29

今世界の観光は、どのような方向に向かっているのでしょうか。ポストコロナに向け、世界各国では、どのような取り組みが行われているのでしょうか。文化学部専門教育科目「京都観光論」(担当 中野 宏幸教授)では、グローバルな観光動向への学びを深めるため、5月17日、UNWTO(国連世界観光機関)駐日事務所副代表の大宅 千明氏をゲストに招き、持続可能な成長に向けた取り組みについてお話を伺い、グループ討議を行いました。
UNWTOは観光分野における世界最大規模の組織であり、持続可能な観光を促進する国連の専門機関です。駐日事務所は、アジア太平洋地域における持続可能な観光地域経営の普及支援などを行っています。
持続可能な観光に関する説明をする大宅氏
説明に耳を傾ける学生
大宅氏からは、「持続可能な観光」の定義・意義や実施効果の把握方法とあわせ、具体的な取り組みとして、州政府観光局がコミュニティとの対話を重ね、旅行者にハワイ本来の魅力を感じてもらうべく方針を転換したマラマ・ハワイ※1の事例や「ガストロノミーツーリズム」※2の紹介がありました。
国際的な観光の動向については、地域差はあるものの、全体的に回復基調に向かっており、観光の今後について、8割を越える専門家は、2023年は前年より観光が「ずっと良い」「良い」状態になると予測されているとのことでした。
学生からは、「海外からの視点から観光を学ぶことで、旅行中にSDGsへの意識が足りていないということを感じた。」「UNWTOでは、持続可能な観光の促進のためにさまざまな取り組みを行っているということを学んだ。特に観光による問題を回避するために、地域レベルでモニタリングし、データに基づいた政策を行うといった取り組みが印象的であった。このような取り組みは地域と意識を共有しながら、持続可能な観光地としての魅力を最大限発揮するために効果的と感じた。」といった感想がありました。
グローバルな動向や世界の多様な取り組みに関心を持ちつつ、これからの京都の都市や交流・観光のあり方について学びを深めてほしいと思います。
※1 「マラマ」は、ハワイ語で「思いやりの心」の意味です。ハワイ州では、自然環境を守るべく、観光地への人数制限や海での化学物質の利用禁止等を行うとともに、伝統文化体験を充実させています。
※2 ガストロノミーツーリズムとは、観光客の体験・活動が食や食材に関連している観光のことです。昨年12月、奈良において日本で初めて世界フォーラムが開催され、世界の観光事業者、料理人、行政などの関係者が意見交換したほか、奈良の生産現場への訪問や、地域の伝統的な料理体験などをしました。
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