【文化学部】町家学びテラス・西陣でminiオープンキャンパスを開催しました!~幕末日本と新選組について考えよう~

2023.12.20

12月9日(土)、文化学部独自のオープンキャンパスとして「町家学びテラス・西陣」にて「miniオープンキャンパス@京町家」を開催しました。
本イベントは、主に高校生を対象とし、京町家の落ち着いた雰囲気のなかで大学の学びへの扉を開くことを目的に企画しています。また、一般の方にも大学の授業を体験していただく機会となるよう、オンラインで配信し参加いただきました。
今回は、笹部昌利准教授が「幕末日本と新選組について考えよう」をテーマに講義を行いました。まず、高等学校の日本史教科書の記述をたよりに、「幕末」という時代を「徳川幕府が内外からの要因によって揺れ動いた時代」と説明したうえで、「浪士」とは如何なる存在かを掘り下げました。
続いて、「浪士」の一人となった近藤勇に注目し、その略歴を述べるとともに、彼が「浪士」を志すことになった要因について説明しました。
写真を使用し解説する笹部准教授
近藤勇ゆかりの武蔵国多摩(現、東京都多摩市)の近隣には、八王子宿という甲州街道の宿場町があり、軍事的にも重要な八王子を防衛する意識が高い環境でありました。また、首府である江戸周辺の地域であるがゆえに、大名権力による統制が弱く、代官による政治的統制の弛緩が生まれた土地柄であり、これらの要因が相まって、人びとの自衛の意識が高まり、天然理心流のような在村剣術が創始され、同地の人びとにおいて受容されたと説明しました。
最後に、近藤勇が多摩の支援者に宛てた書状(「志大略相認書」)の原文を見せながら解読しました。書体から垣間見える筆者の性格や社会的背景を解説し、そこには近藤の意図が理想化されて書かれていると指摘しつつ、その実現のために金銭と武器を送るよう無心する近藤の姿もうかがえると説明しました。
書状の原文を解説する笹部准教授
参加者からは「教科書や小説では知ることのできない深い部分も分かって面白かった」との印象が寄せられました。さらに、江戸時代が「長く続いたからこそ生じてしまった矛盾」によってほころびを埋める身分層が生まれ、そんな彼らが活躍する過程を知ることができたとの感想や「一つの史料で多くのものを得る」ことの重要性を認識したとの意見がありました。
講義終了後は、国際文化学科倉科岳志教授も参加のもと、文化学部の学びの紹介や個別相談の時間を設け、参加者の質問に応えました。当日は在学生も参加していたことから、体験談をもとに学びたいことが学べる学部であること、自分の興味関心を深めることができることなど紹介しました。
参加者からも多くの質問があり、活気あふれる時間となりました。
参加者の質問の応える 倉科教授と笹部准教授 
次回は2024年3月2日(土)14時から、マレス・エマニュエル・ベルナール文化学部准教授による「誰でも知っているようで、実はあまり知られていない日本庭園のこと」と題した講義を高校生に向けて行う予定です。
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