【外国語学部】ウクライナ難民ボランティア体験談

2022.12.19

外国語学部ヨーロッパ言語学科ロシア語専攻の学生がこの夏、ポーランドで行われた日本財団ボランティアセンターが主催するボランティアプログラムに参加しました!体験談を紹介します。

ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻 3年次 木村 コズマさん

学生ボランティア集合写真(下列右から3番目)
私は今年の夏休みに、ポーランドで行われたウクライナ難民ボランティアに参加しました。私がボランティアとして派遣された期間は、8月2日から8月17日です。その期間中、全国から集まった大学生14人と行動を共にしました。主な活動場所はポーランドにあるウクライナとの国境近くの街、プシェミシルです。街の中心にあるプシェミシル駅で活動しながら、そこから少し離れた田舎のホテルに滞在していました。この駅はそれほど大きい駅ではないのですが、ポーランドのもっと大きな街や、ドイツ、チェコ、オーストリアなどへ向かうための中継の駅になっていたので、侵攻から半年経った8月でもウクライナからポーランドに来る人がたくさんいました。逆にポーランドからウクライナへ向かう人も少なくありませんでした。そのため駅は常に人が大勢いて、チケットを買うための長蛇の列ができていました。ここで私達日本の学生は、駅構内や周辺施設の案内、子供達のお世話、避難民の荷物運びなどを行いました。
主に活動を行ったプシェミシル駅
私はロシア語を専攻しており、少し話すことができたので、駅構内や周辺施設の案内を主に行っていました。彼らの要望を聞き取って案内するのは、最初は難しかったですが、徐々に慣れ、できるようになっていくのが実感でき、嬉しかったです。避難民は〝お母さんと子供〟というグループが非常に多く、お母さんがチケットを買いに行っている間、または食べ物を取りに行っている間に、子供達だけで駅のホームや地下の通路で待っている様子が多く見られました。その間、トラブルが起きないように子供達を見守りながらお話をしていました。私達が日本から来たと伝えると驚いていましたが、楽しそうにアニメの話をしてくれました。子供達の屈託のない笑顔は、とてもかわいくて愛おしかったです。
また、荷物運びを手伝うこともたくさんありました。現在ウクライナでは、特別な場合を除いて18歳から60歳の男性は出国することができません。そのため、避難民のほとんどは女性と子供だけとなり、とてつもなく重い荷物を引きずりながら避難してきます。私達が荷物運びを手伝うと、嬉しそうにお礼を言ってくれて、ウクライナのお菓子を貰ったりもしました。
日本のアニメが好きな少年と話している写真
荷物を運ぶアメリカ人ボランティアの写真
これらの活動は午前シフトと午後シフトに分かれていたため、空いた時間に他の活動もしていました。その一つがフードデリバリーです。プシェミシルで生活しているウクライナ人の内、身体が不自由だったり、子供がたくさんいたりして、移動が難しい方のために、家まで昼食を届けました。
そしてもう一つが、新設する一時避難の施設の構想を練ることでした。協力して活動を行っていたウィーンの団体が、プシェミシルにウクライナ難民のための一時避難施設を作ることになり、私達学生は、その運営方法、スペースの使い方、衛生管理などのセクションに分かれて、アイデアを出し合いました。その施設は9月に完成し、10月からは避難民を受け入れて、後半のグループの学生達が実際にそこで活動をしていると帰国後に聞き、達成感を覚えました。
このような活動の中で、常に身体と頭を動かし、ハードな二週間でしたが、とても刺激的でした。私にとって、生のロシア語に触れるのはほとんど初めての経験で、思ったようにコミュニケーションが取れないことも多く、悔しい思いもしました。その悔しさから勉強のモチベーションも上がり、良い経験になりました。
ロシアからのボランティアの方々との写真
足の不自由なウクライナ人女性にフードデリバリーをした時の写真(一番右)
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