【外国語学部】フランス人グラフィックデザイナーによる講演「絵本を通してみるフランス文化」

2022.12.02

2022年11月18日の13時15分から12号館3階の12304教室にて、フランス人グラフィックデザイナーで絵本研究家のパスカル・アンベールさんによる講演が行われました。

2018年の「フランスの絵本の世界へようこそ!」展(アンスティチュ・フランセ東京他)の監修者を務めたアンベールさんは、本学では「絵本を通してみるフランス文化」についてお話くださいました。見事な逐次通訳を披露してくれたのは、外国語学部卒業生の川本 美希さんです。川本さんはパリ・ソルボンヌ大学の大学院を出たあと、現在フランスのオーブラックにあるチーズ会社Jeune Montagneに勤務しています。アンベールさんの講演にあわせて一時帰国されました。

外国語学部ヨーロッパ言語学科フランス語専攻を中心とした学生(文化学部、国際関係学部、経済学部、経営学部の学生も参加しました)、卒業生や先生方、50名強がアンベールさんのお話に熱心に耳を傾けました。冒頭、フランス語専攻の長谷川 晶子 准教授よりアンベールさんと川本さんを紹介された後、85分間、時を忘れるくらい凝縮した時間が流れました。前半はグラフィックデザイナーとして活躍するアンベールさんがフランスの絵本の力を発見するまでの詳しい経緯について、後半はフランスの絵本の魅力について、聴衆を巻き込みながら、分かりやすくお話してくださいました。ストラスブール出身のトミー・ウンゲラー作『すてきなさんにんぐみ』からは物質主義や消費社会に対する批判が読み取れることや、フランスの最近の絵本では環境問題に対する問題提起がされたり、ダイヴァーシティに対する配慮がされていたりなど、日本とフランスの違いについて聴衆に深く考えさせるような刺激的な内容でした。

講演の感想

講演の後、様々な感想が寄せられました。その中からいくつか紹介します。

  • 『すてきなさんにんぐみ』を小学校1年生のときに読んだことがあって、そのときは物語としてだけ楽しんでいたけれど、今日のお話を聞いてあの物語は資本主義への疑問を呈していたことが分かり驚きました。確かに物を得ること=幸せという考えが世の中には濃くあると思うのでその当たり前なことを一度立ち止まって考えさせてくれる絵本の力はすごいなと思いました。
  • 絵本といえば、面白おかしく描かれていたり、昔話や神話がテーマになっていたりするものが多いイメージだった。だが、実際には、社会背景を投写していて社会問題を私達に問いかけたり、ノーマルやアブノーマルといった差を無くす為にマイノリティの構図を描いたりと、大人も考えさせられるような内容があることに驚いた。
  • フランスの子供達は環境問題について小さい頃から考える事ができ、未来に不安を感じて声を上げられる、その事に驚きました。
  • 将来の地球環境を守るために、今行動に移せる事がないか考えさせられた。また、家族の形態についても、両親がいるという事が一般的であるとは限らないし、そもそも結婚という選択を取らないこともあると学んだ。ステレオタイプ的なものを疑ってみることも大切なのだなと思った。
  • 日本でフランス語を学ばれてフランスで今お仕事に就かれて、フランス語で流暢にやりとりされている姿に本当に感銘を受けました。
  • フランス語でのジョークがわからなくて悔しかったので、もっと勉強しようと思いました。

アンベールさん、川本さん、本学の学生たちのために貴重なお話をしてくださり、本当にありがとうございました。

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