【国際関係学部】「International Communication」 Japanese Interactional Particlesについての講演会が開催されました!

2022.12.02

11月24日(木)に国際関係学部の専門教育科目である「International Communication」にて講演会が開催されました。シンガポール国立大学 森田笑准教授を外部講師としてお招きし、「Japanese Interactional Particles」が会話においてどのような役割や意味があるのかを実際の会話動画を用いてお話をしていただきました。

(学生ライター 国際関係学部3年次 林 菜央)

今回の授業では、最初にJapanese Interactional Particleが会話の中でどのように使われているのか、またそれらを付けて話す場合と付けずに話す場合とで生じる印象の違いを学んだ後に、これらの終助詞が英語ではどのように表すことが可能なのかをグループワークを通じて考えました。

森田准教授による講義を熱心に聴く学生

まず、Japanese Interactional Particlesとして「ね、よ、さ、の、わ、ぞ」が挙げられます。「今日は寒いです」「行こう」「頑張る」というように、私たちはこれらのJapanese Interactional Particlesを無意識に多用しながら会話を展開しています。

最初のトピックであるJapanese Interactional Particlesの使われ方では、実際の会話動画を用いて解説されました。性別によって使われる終助詞が変わってくることや基本的に砕けた会話や親しい間柄で使用されることなどを学び、会話動画を視聴することで短い会話の中でもたくさんのInteractional Particlesが使用されていることを知る機会となりました。また、Interactional Particlesが会話の中で使われることで誠実さや親しみやすさが増すという良い印象を感じられる一方で、むやみに多用することで教養がないといった悪い印象を受ける場合もあります。この一面から、過去には「ねさよ運動」という終助詞の使用を禁止する動きが一部の日本の学校で存在していたことも学びました。

学生に質問を投げかける森田准教授

次に、これらのJapanese Interactional Particlesが英語ではどのように表すことができるのかについてグループワークを通して考えました。「ね」助詞が入ったいくつかの会話例に対して、「Isn’t it?」や「don’t you think so?」などの付加疑問やI think so tooのtooとして表せられるなどといった様々な意見が活発に学生からあがりました。発話の途中で起こる「〜でさ-」「あのさ、」と言ったJapanese Interactional Particlesを英語で表現するには発話を沈黙で区切るなど、違った工夫が必要となる特殊な日本語表現だということを学びました。

特に印象的だった点は、「ね」助詞が相互行為ではalignment(同調)を示す表現だからこそ、話者間の関係性やその場で達成しようとしている行為に様々に利用されていることでした。例えば、「ね」が終助詞ではなく、「ねーねー」という問いかけとして使われると、親しい間柄では当たり前に聞こえますが、相手によっては「馴れ馴れしい」と聞こえてしまいます。それは相手にこれから行う行為に同調することを前提としてしまうからだと学びました。

このように今回の講演会ではJapanese Interactional Particlesの使われ方や会話を成り立たせる役割、英語という他言語から見たJapanese Interactional Particlesの特徴を学び、会話分析を学ぶ学生にとって有意義な時間になりました。

講演会を通して、「ね、よ、さ、の、わ、ぞ」といった終助詞が使われる場面やタイミングによって意味合いが大きく違うこと、そしてこれらが私たち日本人にとって非常に重要なものであることを学びました。また、普段注目することがないもの・ことに焦点を当てそれらにどのような意味や機能があるのかを考える楽しさも改めて実感できました。

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