【国際関係学部】国際キャリア開発Cの事前授業で「世界の中のマレーシア」に関する特別講義が行われました!

2022.08.01

7月13日(水)に「国際キャリア開発リサーチC<2>マレーシア・ペナン」(担当:三田貴教授)の事前授業として、特定非営利活動法人パルシック(PARCIC)のマレーシア関連の事業を担当されている大塚照代さんをゲストとしてお迎えし、特別講義が開催されました。

(学生ライター 国際関係学部4年次 大塚 初音)

国際キャリア開発リサーチC<2>はNGOと連携し、マレーシアのペナン州を拠点とした課題解決型のインターンシップ型の実習科目です。本来は現地渡航を伴う実習ですが、今年度はコロナ禍の影響があることからマレーシアの関係者と繋ぎ、オンラインで開催します。この日の特別講義では、実習地であるマレーシアの理解を深めるための事前授業が行われました。 

自己紹介をする講師の大塚さん

授業の前半は、履修学生に与えられていた課題でリサーチした内容を要約して報告しました。課題は、各履修者が関心のあるテーマについてマレーシアの状況と日本の状況を比較するものでした。各学生が発表したことに対し、大塚さんから、8月に予定されているオンライン実習に向けたアドバイスを一人一人にいただきました。

マレーシアの食文化について関心を持つ学生には、中国からペナンに移住してきて異なる文化をもつ人が生活することで新しい食文化が生まれたというお話をしていただきました。また、観光業として栄えているペナン州がコロナ禍の影響を受けて観光業以外のビジネスとして多国籍企業の製造業の活動について調べた学生には、京都とペナン州は観光業を回復していくという共通の課題を持っているため、交流していく中で京都のウィズコロナ観光業について話題提供し意見交換することを提案していただきました。他にも学生の関心分野は、多文化共生やプラスチックごみ問題、経済格差や高齢化問題など、グローバルな課題がローカルな文脈でどのように交錯していくのかということに関心をもっていました。

大塚さんから学生へ課題のフィードバックを行っている様子

特別講義の後半は、「世界の中のマレーシア」というテーマで大塚さんから話題提供がありました。

はじめに、マレーシアで8月30日の独立記念日のために毎年作られるミュージックビデオの2021年バーションである「MERDEKA 2021」の動画を視聴しました。この動画ではその年を象徴するような映像が使われており、2021年版は、コロナ禍における医療従事者の方々の活躍を映し出すシーンなどが印象に残るものでした。毎年作成されるMERDEKAの動画には、「多民族文化の中で一つになって歩んでいく」というメッセージが込められており、それはマレーシアの状況を特徴づけるものになっています。

次に、コロナ後のインフレや民族、移民や難民など、マレーシアの現状についてお話ししていただきました。マレーシアは中華系、インド系、マレー系など多様な民族から構成されている国です。他国からの移民も多く、仕事でマレーシアに移住する日本人も近年増えているということを学び、移民国家して成り立っている印象を受けました。

さらに、1998年のアジア通貨危機とウクライナ危機への対応の共通性についての議論もありました。マレーシアではアジア通貨危機において大国に頼らず自力で再生しようと努力する様子がうかがえ、ウクライナ危機においても西洋とは違う立場を取り、自分たちの力で解決しようとする意思を知り、国際関係学を学ぶ視点がまた一つ増えました。

大塚さんから受講学生へのメッセージとして「グローバル社会が抱えている問題は皆さんが抱えている問題と同じなので、様々な解決方法を皆さんの将来に向かって見つけていくフィールド実習にしてほしい」とコメントがありました。

今回の特別講義には昨年度の同プログラムの履修者も数名参加し、今年の履修者にオンライン実習受講に関するアドバイスを行いました。とくに、英語での実習に不安を感じている履修者には、昨年度どのように向き合い乗り越えてきたか、体験を踏まえての助言がありました。昨年度は事前授業もすべてオンライン開催だったため、今回初めて対面で大塚さんにお会いすることができた元履修者たちの嬉しそうな様子もうかがえました。

記念撮影をする昨年度の履修者と大塚さん

特別講義を受講した学生たちからは、他授業で学んだことと関連させて理解を深めたいこと、講義の中で学んだことをより学んでいきたいといった学習への意欲が高まった様子がうかがえました。

今回の講義を通して、よりマレーシアについて知り、関心を深める機会になりました。履修学生たちは、8月と9月に述べ2週間のオンライン実習を受けることになります。オンライン実習ではペナン州の歴史や様々な文化や宗教について学ぶ機会があります。多様な民族がいるからこそ出来上がった混合文化や、植民地時代の歴史など、深い内容を学ぶことができます。実習の後半になると、スンガイアチェ村の漁民福利団体から見た地域社会の問題をグローバルな視点で理解を深めていくことで、NGOスタッフが現地社会との関係性を構築していくプロセスを体験することとなります。

ペナン州の中心地 多民族・多宗教の街ジョージタウン
ペナン州スンガイアチェ村の漁港

国際関係学部の授業では、外交、ビジネス、国際協力の現場で活躍する実務家を招き、世界の最前線の知識や実情を学びます。
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