国際関係学部 植原ゼミが「世界オンライン会議~アフリカの今~」を実施しました

2021.05.25

5月20日(木)、外国語学部国際関係学科「国際関係研究演習」・国際関係学部国際関係学科「研究演習」(植原行洋ゼミ)の3年次生と4年次生は南アフリカ(ヨハネスブルグ)、ナイジェリア(ラゴス)で駐在員として活躍されているジェトロの方をゲストスピーカーとしてオンライン上で招聘し、「世界オンライン会議~アフリカの今~」と題して両国の政治・経済の現状と課題、COVID-19パンデミックにおける現地の方々のリアルな生活状況について学びました。

ジェトロ・ヨハネスブルグ石原所長の説明を受けている様子
まず、アフリカ大陸では資源依存型経済の国が多いため資源価格の変動が各国の経済に大きな影響を与えているということを学びました。資源依存型経済からの早期脱却が求められますが、第2次産業が未成熟なアフリカにとっては昨今の世界的潮流である「脱炭素社会」に順応することは非常に大きなハードルです。他にも多くの社会課題が残っているアフリカでは近年、その「課題」と共に人生を歩んできたアフリカ人によるスタートアップ企業が増加しています。アフリカ人目線で課題解決をするという、アフリカの人々の力強さを感じました。
アフリカ大陸経済を牽引している南アフリカは特に金融面での強さが見受けられ、既に電子マネーが大きく普及しています。また、ヨハネスブルグで製造業に従事する人々の人件費はシンガポールとほぼ同水準まで伸びており、経済は拡大傾向にあります。しかし、COVID-19による影響により以前からの課題であった失業率はさらに高まりました。政府は早い段階でロックダウンを実施しましたが、雇用確保の配慮が求められます。
ジェトロ・ラゴス谷波所長の説明を受けている様子
多民族国家で人口がアフリカ最大であるナイジェリアは多様な宗教が混在しています。そのため政府要職に異なる宗派の人を配置することで政治的な宗教間バランスを保っているという話が印象的でした。最近では、人々の購買行動が伝統的市場からスーパーや通販などの近代的市場が普及し、中間層が広がっていましたが、COVID-19拡大による世界の移動制限によって主要輸出品である原油・天然ガスの価格が世界的に下落し、経済成長の停滞を余儀なくされています。ナイジェリアでは、インフラが古く脆弱にも関わらず公的資金が回ってこないなどの社会問題が多く、それを民間のスタートアップ企業が新しいアイデアでスピーディーに解決しています。ナイジェリアはCOVID-19拡大を比較的うまく抑え込んでいます。なぜならば、同国は過去に「エボラ出血熱」の対応をした経験があるため、感染症対策のノウハウ蓄積があります。それを活かしCOVID-19克服に向けて早期的な対策を実施したため、現段階ではそれが奏功している状況です。 
学生は受講前に2カ国の現況を予習して予備知識を付けていたため、新たな発見や気づきがとても多く、深い知識を身につけることができました。数多くの写真を通して駐在員のリアルな生活も感じることができ、コロナ禍が続き、海外渡航が出来ない現状下において、海外の最新情報に触れることができた貴重な機会でした。

お忙しい中、参加いただいたジェトロのお二方にこの場を借りて御礼申し上げます。
(植原ゼミ広報担当 竹内 淳朗)
拍手で感謝の意を伝える学生たち

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