理学部 数理科学科 談話会を開催しました(11月13日)

2019.12.03

題目:「モジュラー多項式と対称性」「コルモゴロフ拡散過程のスペクトル」

2019年11月13日(水)15:00より、万有館4階B405教室において数理科学科談話会(※)を開催しました。今回は本学理学部の村瀬篤教授と重川一郎教授がそれぞれ「モジュラー多項式と対称性」、「コルモゴロフ拡散過程のスペクトル」というタイトルで講演を行いました。

村瀬教授の講演では、はじめに楕円曲線、楕円モジュラー関数、モジュラー多項式など古典的な事項の丁寧な解説があり、学部生への配慮が十分になされた構成ながら、最後には「モジュラー多項式のヘッケ型対称性による特徴付け」という村瀬教授自身の最新研究が述べられ、聴衆は大いに興味を惹かれました。

また、重川教授の講演では、まず「作用素のスペクトルとは固有値のことであると思ってよい」ということに始まり、ピアソン分布族の分類の解説があり、最後に各分布に対して、拡散過程の生成作用素を決定するパラメータとスペクトルの関係を表したグラフが次々と示されました。このように視覚的にも明快な形で拡散過程の生成作用素のスペクトルが決定されることに聴衆は大いに感銘を受けました。

当日は教員だけでなく、大学院生、学部生も多く参加し熱心に講演に耳を傾けていました。講演後の質疑応答では多くの質問があり、活発な議論を通じて各々が講演内容の理解や研究への興味を深めている様子でした。また、談話会終了後の懇親会には、多くの教員・学生が参加し、親睦を深める機会となりました。

(※)談話会は、学内教員や研究実績のある研究者を招聘して定期的に講演会を行うことで、理学の最先端の研究内容に触れ、研究意欲の促進、教育・研究の質的向上を図ることを目的として実施しています。参加は、教員だけでなく、学部生、大学院生、その他一般の方々も可能です。

村瀬教授の講演
重川教授の講演
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