理学部の諏訪雄大准教授が超新星ニュートリノの長時間進化について主著論文を出版

2019.08.23

成果

理学部宇宙物理・気象学科の諏訪雄大准教授は、住吉光介教授(沼津工業高等専門学校)、中里健一郎助教(九州大学)、高平康史氏(岡山大学)、小汐由介准教授(岡山大学)、森正光氏(京都大学)、Roger Wendell准教授(京都大学)と共同研究を行い、超新星爆発からのニュートリノ放射についての新しい主著論文をThe Astrophysical Journalから出版しました。

掲載論文

題目:Observing Supernova Neutrino Light Curves with Super-Kamiokande: Expected Event Number over 10 s
著者:諏訪雄大、住吉光介、中里健一郎、高平康史、小汐由介、森正光、Roger A. Wendell
掲載誌:The Astrophysical Journal, 881, 139 (2019年8月21日出版)

また、以下からプレプリント版のダウンロードが可能です。

背景

太陽の約10倍以上の質量を持つ大質量星は一生の最後に重力崩壊と呼ばれる急激な収縮を引き起こし、その中心に中性子星と呼ばれる原子核密度を超える超高密度天体を形成し、同時に超新星爆発という宇宙最強クラスの大爆発を起こすことが知られています。中性子星からは10の58乗個という膨大な数のニュートリノ(電荷を持たない小さな粒子)が放出されます。ニュートリノは中性子星や超新星爆発について貴重な情報をもたらしてくれます。実際、1987年に起こった超新星爆発からのニュートリノが岐阜県にある検出器カミオカンデで検出され、様々なことが明らかにされました。諏訪准教授は超新星爆発やニュートリノについての研究を精力的に行っています。

研究概要

この論文で諏訪准教授らのグループは、超新星爆発および中性子星形成にともなうニュートリノ放射の理論的計算を多数行いました。特に、これまであまり研究されていなかった長時間(爆発開始から1秒よりも長い時間)のニュートリノ放射について網羅的に計算し、さらに現在稼働中のスーパーカミオカンデでどのような観測が可能となるのかについて詳細な解析を行いました。この研究は、近い将来に銀河系内の超新星爆発が観測された際に行うニュートリノデータ解析のベンチマークテストとして活用されるものです。

参考

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