文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」で
京菓子司「末富」主人 山口 富藏氏が講義

2019.07.10

2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食。京都文化学科では、その和食の中でも代表的存在である「京料理」を中心に、和食の歴史や特徴、年中行事との関わりなどを学ぶ「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
講義では、第一線で活躍する京の料理人をゲスト講師として招き、生きた和食の魅力を考察する機会を設けており、7月10日(水)は「京の和菓子」をテーマに、京菓子司「末富」の主人 山口 富藏氏をお招きしました。
「末富」は、明治26年に、初代 山口 竹次郎氏が創業。以来120年、多くの方々に愛されてきた京菓子の名店です。今もなお、昔ながらの格式を守り、心のこもったお菓子作りを心がけています。
和菓子の魅力を語る山口氏
講義の初めに、京菓子の成り立ちについて説明。その昔、砂糖はとても貴重だったので、庶民はなかなか口にすることができなかったそうです。
また、日本では、「春夏秋冬」に「新年」を加えた5つの季節があるそうで、和菓子で季節を表現し、人々に季節を伝えていると説きました。材料自体にも季節があり、例えば葛は6月に入ってからでないと作らないそうです。
京菓子の世界を熱心に聞く学生たち
次に、菓銘(お菓子の名前)もとても大事だと言います。季節や風景を直接的な名前でなく、名所や歌から連想される銘をつけるので、お茶席で和菓子を出されたときは、亭主にご銘を尋ねることがおもてなしに対する礼儀だと説明しました。
たくさんの和菓子の写真を見せながら、ひとつひとつのお菓子について丁寧に解説され、「和菓子の持っている意味、出してくれる人の心を知って食べるのが大事」だと語り、学生たちは京菓子の世界の深さに感銘を受けていました。
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