文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」で
たん熊・栗栖 熊三郎氏が講義

2019.06.12

2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食。会席料理に代表される洗練された京料理は、無形文化遺産に登録された和食の代表格です。京都文化学科では、和食の歴史や特徴、年中行事との関わりなどを学ぶ「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
講義では四季の新鮮な食材とその持ち味の尊重など和食の魅力を、京の料理人をゲスト講師に招いてわかりやすく学びます。6月12日(水)は京都を代表する料亭「本家たん熊」主人・栗栖 熊三郎氏を招いて講義を行いました。
食材の取り合わせについて語る栗栖氏
「本家たん熊」は昭和3年12月13日、「事始め」(お正月の準備を始め、お世話になった方々の所へ挨拶に行く京の風習)の日に創業し、作家の川端 康成や谷崎 潤一郎をはじめ、多くの著名人に愛されてきた名店。一流の素材のもつ奥深い味わいを活かした「もんも(そのまんま)な料理」で、日本はもとより、海外からのお客様にも評価され、ミシュランガイド京都・大阪2010では2つ星を獲得しました。
栗栖氏の講義に聞き入る学生たち
この日の講義では、京の夏を代表する食材である鱧(はも)料理を紹介。三方を山に囲まれ海も遠い京都では、かつては新鮮な食材を入手するのは困難だったため、乏しい食材を技術で工夫し、美味しく食べてもらおうと工夫・発展したのが「京料理」であると指摘。なかでも、鱧は産地である淡路島近海から運ばれる際にも鮮度が落ちにくく、重宝されたと文化的・地理的背景を説明。わずか3cmの間に24回刃を入れる「骨切り」をし、湯引きした鱧に梅肉を添えた「鱧のおとし」は夏の京都のごちそうで、ぜひ京都にいる学生時代に食べてほしいと語り、学生たちは京料理への関心を一層高めていました。
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