理学部 気象学の実践的な学びをより深く

2018.12.21

2016年度に開設された理学部 宇宙物理・気象学科では、宇宙物理学分野、ならびに気象学分野の専門的な学び、その中でも特に、それぞれの分野での豊富な実践的科目に力を入れています。

学科最初の学生が3年次となった今年度春学期より、いよいよ実践的科目が本格的にスタート、秋学期も引き続き実践的科目が開講されています。そして気象学分野では、「大気物理学実験」と「気象学特別演習」において、学生たちは日々熱心に様々な課題に取り組んでいます。

「大気物理学実験」では、静水圧平衡や放射伝達といった気象学における重要な概念に関連した基礎的な実験、ならびにその観測データの解析を行うことで、講義とは異なった角度から大気物理法則が示す意味を体得していく事を目標にしています。「大気物理学実験」の履修者は、気象データの時系列データの解析を通じ、その周期変動の美しさに驚くばかりでなく、これまで学んできた数学の重要性を実感しているようです。また、気象データを測定することで気象学における重要な概念の正しさを実感することに喜びを感じたり、大気の分光観測方法を身につけることの面白さ、更には宇宙物理学との接点を感じているようです。

「気象学特別演習」では、これまで気象学分野の専門的な講義で学んだ概念や法則を踏まえながら、専門書の輪講や問題演習、更には計算機によるデータ解析などを通じて、身近な大気中の現象を支配する気象力学の理解を深めていく事を目標にしています。「気象学特別演習」の履修者は、演習課題に取り組みながら鉛直風と水平風の気象現象との関係など、数式の物理的意味を理解したり、実際にデータ解析を行ったりすることで、気象現象の背後にある物理をより深く理解していく過程を楽しんでいるようです。一方で、気象力学の理解に不可欠な波動現象の基礎も身についてきているようです。

これらの実践的科目が終わると、いよいよ大学4年間の集大成である「特別研究」が始まります。実践的科目で身につけた知識・技能などを存分に発揮しながら、どのような研究を進めてくれるのかこれからも大変楽しみです。

大気の分光データ取得のための実験中
学生の中に入り込んでの熱心な指導
期待通りに取得できた実験データに見入る履修者たち
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